4日目に入った民主労総公共運輸労働組合貨物連帯本部(以下、貨物連帯)の全面ストライキの影響がさらに大きくなりつつある。特にセメント出荷に支障が出ていることでコンクリート供給が減り、骨組みの工事中だった建設現場は「シャットダウン」が迫るなど、非常事態に陥っている。
国土交通部の27日の集計によると、前日午後5時からこの日午前10時までの全国12港湾のコンテナ搬出入量は6208TEUで、普段(3万6824TEU)の17%ほどにまで急減している。1TEUは20フィートのコンテナ1個分を意味する。ただし、港湾のコンテナ保管能力に対する実際に保管されているコンテナの比率を意味する蔵置率は62.6%で、平常時(64.5%)水準を維持している。
現代自動車蔚山(ウルサン)工場などでは、自動車生産工場のカーキャリアのほとんどが運行を停止しているため、販売用車両を運転して輸送しなければならなくなっている。また、4大精油会社(SK、GS、Sオイル、現代オイルバンク)の車両の70~80%が貨物連帯組合員であるため、ストが長引けばガソリンスタンドへのガソリンや軽油などの供給に支障が出ることも懸念されている。国土部は「4日間(全面ストライキ)事態が続いていることで、建設現場などで被害が可視化しつつあり、今週初めから鉄鋼などの他産業でも被害が本格化するものと予想する」と述べた。
ストの影響が最も大きいのはセメント、生コン、建設現場だ。韓国セメント協会によると、前日に出荷が計画されていたセメントは10万3000トンだが、実際の出荷量は9%ほどの9000トンに過ぎなかった。首都圏の主な出荷基地では出荷が全面的に停止。セメント輸送に支障が出ていることから、生コン業界は29日から全国的に生産現場が止まるとの見通しを示している。固まっていない状態で配送されるコンクリートである生コンは、最終需要者の積載能力が通常は2日ほどであるため、建設現場も連鎖的に停止することになる。ソウル最大規模の建て替え団地である江東区(カンドング)の遁村住公アパート(1万2000世帯)の工事現場は25日から生コン搬入量が大幅に減り、階を積み上げる骨組み工事が中断されるなど、事実上「シャットダウン」状態だ。
一方、政府が業務開始命令の発動を検討することで圧迫を続ける中、貨物連帯と政府は28日午後、全面スト開始後初めて政府世宗庁舎で話し合いを持つ予定だ。両者の公式対話は今月15日以来で、安全運賃制、サンセット条項廃止および品目拡大を要求する貨物連帯の主張と、受け入れられないとする政府の立場が平行線をたどっているため、交渉は難航が予想される。