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韓国、原材料価格高騰とウォン安の衝撃で「短期外債比率」ここ10年の最高値

登録:2022-08-19 05:35 修正:2022-08-19 08:11
韓国銀行が第2四半期末の国際投資貸借対照表を発表 
短期外債1838億ドル、準備資産4383億ドル 
短期外債比率41.9%…2012年第2四半期以降で最高値 
銀行のドル借入金132億ドルで大幅増加 
6月末の対外純資産は7441億ドル
18日、ソウル中区のハナ銀行ディーリングルームの電光掲示板にウォン-ドル為替レートなどが表示されている。前日からウォン安ドル高が4.7ウォン進み、1ドル=1315.0ウォンで取り引きが開始された/聯合ニュース

 原材料価格の上昇とドル高、ウォン-ドル為替レートに対する変動性緩和介入などにより、第2四半期末の韓国経済の対外支払い能力を示す「準備資産(外貨保有高)に対する短期外債の比率」は41.9%となり、ここ10年で最も高い水準となった。

 18日に韓国銀行が発表した第2四半期末の国際投資貸借対照表によると、満期1年未満の短期外債は1838億ドル、中央銀行の準備資産(外貨保有高の総額)は4383億ドル。これにより、短期外債比率は41.9%で、2012年第2四半期(45.6%)以降で最も高い水準となった。第1四半期末(38.2%)からは3.7ポイント上昇した。

 短期外債の増加を主導したのは預金取扱機関(銀行及びノンバンク)のドル借入金(第2四半期末973億ドル)で、第1四半期末に比べ132億ドルもの大幅な増加。一方、中央銀行の準備資産は第2四半期末時点で4383億ドルで、第1四半期末に比べ195億ドル減少した。韓銀は「短期外債については、国際原油価格などの原材料価格の上昇と海外への直接投資の拡大などにより企業の外貨資金需要が増えたことで、この需要を満たすために銀行の外貨短期借入金が増加したもの。準備資産については、ウォン-ドル相場の変動制の緩和に向けた通貨当局の市場介入措置(保有ドルの売却)とドル高により外貨保有高の総額が減少したもの」と説明した。

 ウォンードル相場の変動性が高まったことで、外国銀行の国内支店(35店)が通貨の差益を狙った取り引きに用いるために本店からドルを短期投資資金として借り入れたことも、大きな影響を及ぼした。所在地が基準となっていることから外国銀行の支店も国内居住者に分類されるため、同資金は短期外債に含まれる。韓国銀行は「短期外債の増加と準備資産の減少が複合的に作用したものだが、全般的な過去の短期外債比率の水準に比べれば依然として低い方であり、韓国経済にとって大きな問題になる状況ではないと評価する」と説明した。

 一方、第2四半期末の韓国の対外純資産(外国で保有する金融資産から、外国からの負債を引いたもの)は7441億ドルで、前期に比べ481億ドル増加した。対外金融資産(2兆1235億ドル)は国内居住者の証券投資(-684億ドル)を中心に前期末に比べ658億ドル減少したが、対外金融負債(1兆3794億ドル)は非居住者の証券投資が減少(-1378億ドル)したことで前期末に比べ1139億ドル減少した。

 対外金融資産・負債から株式、ファンド、金融派生商品、直接投資を除いた「確定」金融資産・負債である対外債権・債務をみると、第2四半期末の純対外債権(対外債権-対外債務)は3861億ドルで、前期末に比べて396億ドル減少した。対外債権(1兆482億ドル)は前期末に比べ317億ドル減少したが、中央銀行の準備資産が前期末に比べ195億ドル減少したこと、証券・保険・資産運用会社の負債性証券(債券)が米国債価格の下落に伴い128億ドル減少したことによる影響が大きい。対外債務は6620億ドルで、前期末に比べ79億ドル増加したが、これには預金取扱機関の借入金増加(132億ドル)が主に作用した。

チョ・ゲワン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/finance/1055215.html韓国語原文入力:2022-08-18 12:00
訳D.K

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