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韓国、政策金利0%台時代が終了…家計負債の利子が6兆ウォン増の見込み

登録:2021-11-26 00:57 修正:2021-11-26 07:58
20カ月で幕を降ろしたゼロ金利 
韓銀、8月に続いて0.25ポイント引き上げ 
来年初頭のさらなる利上げも予告
韓銀のイ・ジュヨル総裁=韓国銀行提供//ハンギョレ新聞社

 コロナ禍に対応するため20カ月間続いた「0%台政策金利時代」が幕を降ろした。韓国銀行(韓銀)が政策金利を年1.00%へと引き上げたことで、家計の年間の利子負担額は、昨年末より約5兆8000億ウォン(約5620億円)増加する見通しだ。今年に入って二度も政策金利を引き上げた韓銀は、年明けのさらなる利上げを予告した。1845兆ウォン(約179兆円)にまで膨れ上がった家計負債が大きな負担となって返ってくる利上げの極寒期が続く見通しだ。

 韓銀は25日、金融通貨委員会(金通委)を開き、年0.75%の政策金利を1.00%へと引き上げた。コロナ禍発生直前には1.25%だった政策金利は、昨年3月に0.75%に引き下げられ、5月には過去最低水準の0.50%にまで下がった。しかし韓銀は、今年8月に0.75%にまで金利を引き上げたのに続き、今回さらなる引き上げに踏み切り、政策金利1%台時代に復帰した。

 韓銀は、景気改善の流れ、物価高、金融不均衡、主要国の緊縮行動などを根拠に金利を引き上げた。韓銀は、今年の韓国経済は年間4%成長すると予測する。消費者物価上昇率は、来年下半期までに物価安定目標(2%)を上回ると予測している。不動産市場などの資産市場の過熱も相変わらず冷めていない。対外的には、米国連邦準備制度(Fed)が今月からテーパリング(資産買い入れの縮小)を開始し、通貨政策の舵を徐々に引き締めへと切りつつある。

 韓銀が今年8月から二度にわたって金利を引き上げたことで、累計の引き上げ幅は0.5ポイントとなった。韓銀の分析によると、金利が0.5%引き上げられれば、家計の年間利子負担は対昨年末比で約5兆8000億ウォン増加する。融資を受けた人(債務者)1人当たりの年間利子負担は、昨年の平均271万ウォン(約26万3000円)から平均301万ウォン(約29万2000円)へと膨らむ。

 所得水準ごとに見ると、高所得層(所得上位30%)の年間利子負担は平均381万ウォン(約36万9000円)から平均424万ウォン(約41万1000円)へと増加する。高所得層は負債規模が大きいため、利子負担も比較的多い。脆弱債務者(3件以上の多重債務を抱え、かつ所得下位30%または信用評価664点以下)の年間利子負担は平均320万ウォン(約31万円)から平均373万ウォン(約36万1000円)へと増える。脆弱債務者は、高所得層より利子負担の増加幅は小さいものの、変動金利ローンの割合が高く、信用評価の低い人が多いことから、苦痛がさらに大きくならざるを得ない。

 自営業者の負債も危機に直面する。0.5%の利上げで、自営業者全体の年間利子負担は対昨年比で2兆9000億ウォン(約2810億円)増加すると試算される。さらに、金融当局の規制強化によって市中銀行も金利を引き上げているため、個人の感じる利上げの負担は韓銀の計算より大きいとみられる。

 韓銀の利上げは今後も続く見通しだ。韓銀のイ・ジュヨル総裁は「政策金利を1.00%に引き上げたが、経済成長と物価の流れからすると、依然として緩和的な水準だ」とし、さらなる利上げの可能性を示唆した。金通委が今年中に再び開かれることはない。来年上半期、金通委が開かれるのは1月、2月、4月、5月。韓銀が来年初めに再び利上げを行えば金利は1.25%となり、コロナ禍以前の水準に復帰することになる。

チョン・スルギ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1020808.html韓国語原文入力:2021-11-25 16:48
訳D.K

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