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燃料電池トラック新興メーカーのニコラ、GMと提携…第2のテスラになるか

登録:2020-09-10 02:55 修正:2020-09-10 08:09
GM、LGとの合弁法人が生産する「アルティウム」バッテリーを提供 
ニコラの新株を取得…持分規模は11% 
テスラの株価が急落した日にニコラは高騰
2022年末から生産予定のニコラのピックアップトラック「バッジャー」(Badger)=ニコラ提供//ハンギョレ新聞社

 米国のゼネラルモーターズ(GM)と燃料電池トラック専門メーカーのニコラが提携した。

 GMは8日(現地時間)、報道資料で、ニコラにバッテリーと水素燃料電池などを提供する対価としてニコラの新株を取得する予定だと発表した。GMが取得する新株はニコラの全株式の11%で、20億ドル(約2100億円)規模になる見込みだ。GMはニコラの取締役1人を任命する権限も持つ。

 両企業間の協力の最初の生産車はニコラの「バッジャー」(Badger)だ。バッジャーはニコラが2022年末から生産する予定の電動化ピックアップトラックだ。水素燃料電池とバッテリーを同時に使うハイブリッド車で、1回の充電での走行可能距離は600マイル(966キロメートル)に達するというニコラが説明した。6月から事前予約を受けつけ、12月3日に米国アリゾナ州で開かれる「ニコラワールド2020」で正式に公開される。

ニコラのトレバー・ミルトン最高経営責任者(CEO)=ニコラ提供//ハンギョレ新聞社

 GMは、バッジャーに「アルティウム」バッテリーと燃料電池システム「ハイドロテック」を搭載するなど、製造工程全般を担当する。アルティウムはGMとLG化学の合弁法人で生産する予定の次世代バッテリーだ。ニコラはバッジャーのブランドと販売、マーケティングを担当する。この他にニコラのトレ(Tre)、ワン(One)、ツー(Two)などのセミトラックも協業の対象だ。ニコラのトレバー・ミルトン最高経営責任者(CEO)は「(これで)ニコラは数十年分の供給・製造の知識と、検証された電気自動車の動力、世界的な水準の投資家の信頼を一度に得ることになった」と述べた。

 業界では、ニコラがテスラのような道を歩む可能性が高まったという話が出ている。2010年に日本のトヨタはテスラに5000万ドルを投資し、電気自動車の共同開発に着手した。GMとの合弁で建てた米国サンフランシスコの工場も、同年に相対的に安い価格である4200万ドルだけを受け取り、テスラに引き渡した。2016年末にトヨタはテスラの持ち株を全て売却し、両者は決別することになったが、トヨタの投資がテスラの成長の基礎になったという見解が支配的だ。

 完成車企業としての力量は検証されていないという評価を受けていたニコラの立場としては、GMの投資がターニングポイントになりうる。一方、GMは伝統的な内燃機関車のイメージから脱すると同時に、バッテリーと水素燃料電池の市場で規模の経済を強化する契機にすることができる。ハイ投資証券のコ・テボン・リサーチセンター長は「これまでニコラには半信半疑な見方があったが、今回の協力でそのような懸念を減らすことになった」としながらも「GMの立場としては、ニコラの去就によってはリスクの高い冒険になるだろう」と述べた。8日のニューヨーク証券市場で、ニコラの株価は前日より40.79%上がった50.05ドルで取引を終えた。

イ・ジェヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/961506.html韓国語原文入力:2020-09-10 02:33
訳M.S

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