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下半期も景気回復は不透明…景気防御に向けて“内需”に総力傾ける

登録:2019-06-17 06:10 修正:2019-06-17 17:46
予想に反して国内外の環境が悪化  
「景気低迷の防御」に政策の重点移す  
ホン・ナムギ副首相、成長率の下方修正を示唆  
 
韓銀も来月利下げを示唆  
政府、内需再生に注力する見込み  
来年度予算もより攻撃的に編成する方針
政府・民間主要機関による今年の経済成長率の予想値の比較(単位%)//ハンギョレ新聞社

 政府が、下半期には景気が回復するという当初の予想とは異なり、国内外の環境悪化が続くなか、対応戦略をこれに合わせて修正している。米中貿易摩擦の長期化と半導体価格の下落という打撃を直接受けている輸出の不振を現実として受け止め、内需の活性化に焦点を合わせ、景気減速を防御する方向に政策の重点が移っている。

 ホン・ナムギ副首相兼企画財政部長官は14日、主要研究機関長との懇談会で、「対外環境が大きく悪化し、投資と輸出が低迷するだけではなく、内需も浮き沈みを経験している。景気下方へのリスクも次第に大きくなっている」としたうえで、「変化した環境を政策に反映すると共に、成長率など多くの指標を調べ、必要ならばこれを調整する内容も含めて準備している」と述べた。今月末発表する下半期の経済政策方向で、今年の成長率目標値(2.6~2.7%)を下方修正する可能性に言及したのだ。ホン副首相は、今年4月には「政府の成長率目標値を修正する計画はない」と述べた。

 こうした政策基調の変化はユン・ジョンウォン大統領府経済首席が先に“予告”した。ユン首席は今月7日に開かれた記者懇談会で、追加補正予算案の可決を呼びかけると共に、「景気下方のリスクが長期化する可能性も排除できない」と述べた。7カ月間基準金利を凍結している韓国銀行(韓銀)も、来月金利を引き下げる可能性を示唆した。イ・ジュヨル韓国銀行総裁は12日、「対外の不確実性が高まった。半導体景気の回復が遅れる可能性がある」とし、「経済状況の変化によって(通貨政策を)適切に対応していく」と述べた。

 政府はこれまで第1四半期成長率がマイナス(-0.4%)を記録したにも関わらず、「第2四半期から財政投入の効果が現れるだろう」とし、景気の改善に期待をかけてきた。しかし、米中間の貿易摩擦が長期化しているうえ、半導体の国際価格の下落で、下半期にも輸出が回復する兆しは見えない状況だ。これを受け、対外環境に大きく影響される輸出より、投資・消費など内需の活性化に死活をかけるものとみられる。ホン副首相は14日、「下半期の民間設備投資や建設投資に特段の対策が必要だ」とし、内需促進に政策の焦点を当てると予告した。家計負債の抑制のため金利を引き下げられなかった韓銀が、金利引下げの方向を示唆したのは、景気活性化の必要性がそれだけ切迫していることを意味する。

 国会の膠着により、今年の補正予算案が50日以上審議にも着手できず、補正予算の効果も期待できなくなったことを受け、政府は来年の予算をもっと“攻撃的”に編成して中短期の景気低迷に対応する方針だ。各政府省庁が要求した来年度予算案は、総498兆7千億ウォン(約45兆5千億円)で、今年の予算(469兆6千億ウォン)に比べて6.2%も増加した。セーフティーネットの拡充に向けた福祉・雇用予算要求額(増加率12.9%)と革新成長の投資に重点を置いた研究開発予算要求額(9.1%)が高かった。

 民間・市場は景気回復のための財政拡張および利下げを政府と中央銀行に求めている。現代経済研究院は16日、今年の韓国経済の修正展望報告書を発表し、景気回復の政策効果と下半期の輸出減少幅の縮小を前提に、従来の経済成長率展望値(2.5%)をそのまま維持した。同研究院は「短期的に通貨緩和政策および積極的な財政政策を施行すると共に、総需要の回復に向けた景気活性化政策を持続的に推進すべきだ」と提言した。

イ・ギョンミ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/898118.html韓国語原文入力:2019-06-16 20:54
訳H.J

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