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D-RAM価格下落“さらに拡大”に下方調整…成長率目標達成は不透明

登録:2019-06-07 21:56 修正:2019-06-09 19:40
「華為制裁」米中貿易紛争の余波 
第4四半期「2~5%下落」→「10%下落」に修正 
韓国経済のメモリー半導体依存度高く 
下半期にも輸出下落傾向持続する見込み
D-RAM価格下落幅 2019年3第3・4四半期 予想調整値 (単位:%) 資料:D-RAM EXCHAGE//ハンギョレ新聞社

 D-RAM半導体の価格が米中貿易紛争などの影響で、今年第3~4四半期に当初予想よりさらに大幅に下落するとの展望が出てきた。政府は、下半期に半導体単価の回復などで輸出下落傾向が止まると見通したが、容易ではなさそうだ。韓国銀行の今年下半期の実質経済成長率展望値(2.7%)と、政府の今年の年間成長率目標(2.6~2.7%)達成も、半導体価格回復の遅延によりいっそう不透明になっている。

 半導体専門市場調査企業D-RAMエクスチェンジは7日、直前四半期対比で当初10%下落すると予想されたD-RAMの今年第3四半期の価格展望値を10~15%下落(全体製品の平均)に再調整すると明らかにした。-2~-5%とされていた第4四半期の価格下落展望は「最大10%下落」に再調整された。今年下半期のD-RAMの価格下落幅を全般的に下方調整したのだ。揮発性メモリー半導体である“D-RAM”は、パーソナルコンピューター(PC)とスマートフォンに広く使われ、韓国の半導体産業を牽引した主力製品だ。

 D-RAMエクスチェンジは下方調整の理由として、米国の対中国貿易制裁のために中国華為(ファーウェイ)のスマートフォンとサーバー製品の出荷量が減りそうだという点を挙げた。下半期はD-RAMの需要シーズンとされてきたが、需要が期待に届かず価格下落傾向が当初予想よりさらに厳しくなるとの展望だ。今年第1四半期の世界のスマートフォン販売量で、華為はサムスン電子に続く2位の占有率を示した。

 D-RAM製品の価格は、今年に入ってすでに大幅に下落した。PCに主に使用されるDDR4 8ギガビット製品の価格は、先月末に“4ドルの壁”が崩れた後、回復できずにいる。昨年9月に8.19ドルで頂点を打った時と比べれば半額にもならない。NANDフラッシュの価格も下落傾向が続いている。業界では、メモリー半導体業界の状況を“上低下高”と評価して、第3~4四半期に需要回復および価格上昇を予想していた。だが、華為をめぐる米中貿易戦争が最近日増しに激化する様相を見せ、長期化・固定化の展望が広がるなかで、期待値をさらに下げざるをえない状況に直面した。

 メモリー半導体への依存度が高い韓国の輸出構造に照らしてみる時、当分危機感は持続するものと見られる。先月の韓国の輸出は、昨年5月対比で9.4%減少したが、米中貿易紛争の深化による景気鈍化と半導体業界の状況不振が決定的影響を及ぼした。半導体輸出は、前年同期比30.5%(金額基準)下落したことがある。ソン・ユンモ産業通商資源部長官は「半導体の単価回復、原油価格安定化、中国景気の浮揚策、輸出活力向上対策の効果など機会要因があり、下半期は上半期よりましになるだろう」と展望したが、対応戦略の修正が避けられないように見える。

 ただしD-RAMエクスチェンジは、2020年にはD-RAM価格が反騰すると見通した。これに先立って世界半導体需給動向調査機関である世界半導体市場統計機構(WSTS)も、最近発刊した報告書で、今年の半導体市場の売上が昨年より12.1%減少するだろうと2月展望値(-3%)を修正したが、来年は今年より5.4%増加すると展望している。

ソン・ギョンファ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/897063.html韓国語原文入力:2019-06-07 19:02
訳J.S

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