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「下半期成長率2%台の中後半の回復」…文大統領の展望は実現可能か

登録:2019-05-11 07:30 修正:2019-05-11 08:07
文大統領「第2四半期から改善され、下半期に回復する見通し」 
非メモリー半導体・バイオヘルス・未来の車など新産業を集中育成する計画 
民間投資の督励と公共投資の並行で低迷する景気を引き揚げる 
文在寅大統領が9日午後、大統領府の常春斎で開かれた文在寅政権発足2周年の特別番組「大統領に聞く」で司会者の質問に答えている=大統領府提供//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、第1四半期に前年に比べて1.8%にとどまった経済成長率と関連し、下半期には2%台半ばから後半と回復するという見通しを示した中、政府の景気浮揚政策と新産業への投資が経済状況の改善につながるかに注目が集まっている。

 文大統領は9日、就任2周年を記念したKBS(韓国放送)の対談で「今年韓国の経済成長率の目標は少なくとも2.5~2.6%で、これから巻き返しを図っていかねばならない」とし、「政府や韓国銀行は第2四半期から状況が良くなり、下半期には潜在成長率に該当する2%半ばから後半の水準を回復すると見通しており、期待している」と述べた。

 文大統領はその根拠として「低成長の原因だった輸出や投資不振が回復し、良くなる傾向にある」と述べた。輸出は昨年12月から先月まで5カ月連続で減少したが、減少幅が減っている状況を肯定的なシグナルと見たのだ。

 しかし、国内外の環境は楽観的ではない。最近、国際通貨基金(IMF)と経済協力開発機構(OECD)は、今年の世界経済の成長ぶりを昨年示した予測値より下方調整した。韓国の輸出の20%以上を占める半導体市場が下半期に回復する可能性は、依然として不透明な状況だ。半導体を除いた船舶や携帯電話、鉄鋼など既存の主要な品目の輸出比重も低くなるなど、主力産業競争力が弱まっている。文大統領は「憂慮すべき状況は潜在成長率が低くなっているにもかかわらず、新たな成長の動力がまだ見つかっていないということだ」とし、「急いで力を注いだ非メモリー半導体やバイオ、未来の車などを重点的に育成するつもりだ」と述べた。

 政府は発足以来、新産業投資の“呼び水”として、スマート工場やバイオヘルス、フィンテック、未来の車、スマートシティ、スマートファーム、エネルギー新産業、ドローンを8大先導事業に選び、これらの分野に2年間で6兆ウォン(約5600億円)を投資した。政府はこの中でも産業波及効果が大きく、体感度の高い3つの分野、非メモリー半導体やバイオヘルス、未来の車を集中的に支援するという計画だ。非メモリー半導体は最近、サムスン電子が10年間で133兆ウォン(約12兆4千億円)の投資を発表した。

 また、文大統領は「製造業革新を通じて、再び製造業強国の地位を堅固にする計画だ。また、第2のベンチャー・ブームを起こし、新たな成長動力とより良い雇用を生み出すため努力している」と強調した。

 政府は投資ムードの拡大に向け、財政拡大政策やベンチャー活性化などに全力を傾けている。2020年までにベンチャー・ブームを盛り上げるため、10兆ウォン(約9300億円)規模の革新冒険ファンドを造成し、2022年まではベンチャー企業の成長をけん引するスケールアップ専用ファンドを12兆ウォン(1兆1200億円)規模で造成するという計画だ。

 ただし、このような政策が直ちに効果を示すのは難しく、政府はまず、積極的な財政執行で景気下降の流れを食い止める計画だ。企画財政部が10日発表した「財政動向5月号」によると、政府が予算執行の実績を管理する「主要管理対象事業」の第1四半期の執行実績は、94兆4千億ウォン(年間計画の32.3%)だった。当初第1四半期の執行計画(88兆ウォン)より6兆4千億ウォン(2.2%ポイント)を超過執行した。政府の財政状態を示す統合財政収支は17兆3千億ウォン(約1兆6100億円)の赤字、管理財政収支は25兆2千億ウォン(約2兆3500億円)の赤字を記録した。企財部は「積極的な財政運用の結果」だとし、「対外的不確実性が持続し、拡張的財政運用で経済活力の向上を後押しする計画だ」と明らかにした。

イ・ギョンミ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/893455.html韓国語原文入力:2019-05-10 19:13
訳H.J