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「上半期の超過税収1兆9千億円…公共雇用創出のため2次補正予算の検討を」

登録:2018-08-20 08:49 修正:2018-08-20 16:37
雇用ショック、専門家の解決策は 
 
製造業の景気鈍化が雇用低迷を呼び 
生半可な政策転換より青写真が必要 
「自動車・造船業の競争力から点検後 
構造調整・浮揚策など、落ち着いた対応を」 
 
今すぐ必要な働き口は財政余力を活用 
「時点が重要なだけに、2次補正予算の検討を」
キム・ドンヨン副首相兼企画財政部長官と共に民主党のホン・ヨンピョ院内代表などが今月19日午後、国会議員会館で開かれた雇用状況に関する緊急与党・政府・大統領府会議に深刻な表情で出席している=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 19日に開かれた与党・政府・大統領府の「雇用状況に関する緊急会議」では、「来年の雇用予算を大幅に増やす」という方針のほかに具体的な政策手段が示されなかった。代わりに同日の会議は、主力製造業の競争力の弱体化など構造的要因と自営業の業況の低迷とで明らかになった景気の要因など、最近の雇用減少の原因分析に大半を割いた。専門家らは、公共雇用の拡大のような短期的な財政支援の必要性とともに、産業政策の見直しをはじめとする総合的な政策対応が並行されなければならないと強調した。

 ホン・ヨンピョ民主党院内代表はこの日、与党・政府・大統領府会議で「製造業の雇用創出の潜在力が顕著に落ちたという点をもう一度確認した」とし、「生産性をあげ産業構造を高度化させる産業のルネサンスを推進する」と話した。前年同期より5千人増にとどまった先月の就業者数の増加幅の鈍化の主な原因として「製造業の雇用悪化」を指摘したものだ。先月、製造業の就業者は前年同期より12万7千人減少し、6月(-12万6千人)に次いで大幅の減少を続けた。

最近5年間の就業者数増減および雇用率//ハンギョレ新聞社

 製造業の雇用減少は自動車や造船など従来の主力製造業の競争力弱体化とつながっている。昨年10月頃から、傾向的な減少の流れを見せてきた自動車生産指数は、今年に入ってからも、昨年2月に前年同期比19.8%減少したのをはじめ、一番最近の指標である6月にも8.2%減少したことがわかった。2015年以降、持続的に大幅の減少を記録している造船業を含むその他運送装備製造業生産指数も、6月に前年同期比24.3%減少するなど、回復が遅れている。特にこれらの領域で臨時・日雇いなど生産職を中心とした製造業の就業者数が減少する状況は、派遣会社などが含まれた「事業施設管理・事業支援および貸出サービス業」(10万1千人減少)のような関連サービス業種にまで影響を与え、全般的な雇用減少を主導している。通常、景気鈍化の時期に製造業の雇用から追い出された人々の「緩衝地帯」の役割をしてきた自営業の状況はさらに深刻だ。過当競争や中国人観光客の回復遅れなどで「雇用員のいない自営業者」、つまり1人零細業者を中心に、市場から脱落する現象が深刻化している。先月、雇用員のいない自営業者は前年同期に比べ10万2千人減少した。

 専門家らは、最近の雇用指標をもって生半可な経済政策への転換は的確な解決策にはならないと指摘する。この日、自由韓国党が「所得主導成長を廃棄すべきだ」という内容の論評を出すなど、雇用指標の悪化を根拠に、政府が経済政策を転換しなければならないという声が出ていること対して懸念を提起したのだ。ホン・ミンギ韓国労働研究院先任研究委員は「産業の競争力の弱体化など構造的影響が強く定着している状況で、雇用率を基準にみれば最悪の水準だと評価するのは難しい」とし、「むしろ就業者数に対する圧迫感のために、これまで追求してきた雇用の質の改善とは関係なく就職者数にのみ没頭する性急な政策転換につながらないかと懸念される」と話した。短期的な就業者数増減よりは今回の指標が示している産業競争力の弱体化のような構造的問題を検討すべきという提案も出ている。キム・ヒョヌク韓国開発研究院(KDI)経済展望室長は「緊急対策よりは青写真が必要な時点」だとし、「まず現在、自動車・造船など主力産業の競争力がどの段階にあるかを調べ、それに合わせて構造調整や浮揚策を適切に進める落ち着いた対応が必要だ」と話した。

 ただ、今年上半期だけでも超過税収が19兆ウォン(約1兆9千億円)に達するなど、財政余力が豊富な状況であるだけに、短期的には政府が積極的に雇用創出に乗り出すべきだという声も出ている。ウ・ソクチン明智大学教授(経済学)は「財政余力が十分な状況で、短期的に2次追加補正予算を通じて、すぐに働き口を得られていない人々のために直接雇用を創出する必要がある」と話した。これに先立って、若者の雇用創出などを目標に3兆9千億ウォン(約3900億円)規模で編成された今年の1次補正予算は、規模が小さいため実効性が大きくないという評価を受けてきた。この日、与党・政府・大統領府会議でキム・ドンヨン副首相兼企画財政部長官は「来年の財政を拡張的に運営する」と明らかにしたが、今年の追加補正予算の編成についての言及は出なかった。

パン・ジュンホ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/858271.html韓国語原文入力:2018-08-19 22:23
訳M.C

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