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大韓商工会議所会長、「最低賃金引き上げは所得の二極化のため」政府策受け入れの意向

登録:2018-07-20 09:20 修正:2018-07-20 11:10
大韓商工会議所「済州フォーラム」で記者懇談会 
「残念だが、法手続きによる決定」受け入れの意思 
直接的分配政策・財政拡大を並行させる注文も 
大統領とイ・ジェヨンの出会いは企業の士気を考慮  
「事前規制緩和-事後規制強化」を提案 
インターネット銀行、銀産分離緩和「よく分からない」 
ビックデータのための個人情報保護緩和を強調
大韓商工会議所のパク・ヨンマン会長//ハンギョレ新聞社

 大韓商工会議所のパク・ヨンマン会長が、文在寅(ムン・ジェイン)政府の最低賃金引き上げ政策について、所得の二極化のためだとして支持の意思を示しながら、小商工人の負担を考慮し最低賃金の引き上げだけに依存せず「直接的分配政策」の強化と財政支出の拡大も並行することを要請した。

 パク・ヨンマン会長は18日、大韓商工会議所夏季フォーラムが行われた済州(チェジュ)の新羅ホテルで行った記者懇談会で、来年度の最低賃金10.9%引き上げについて「使用者団体が抜けた状態で決定されて残念だ」と述べながらも、「法の手続きによって決定されただけに、これ以上は言及しない」として、受け入れる意思を明らかにした。これは中小企業中央会が最低賃金に対する異議申立てを提起する動きを見せていることと対比される。

 パク会長はまた、「最低賃金の引き上げは所得の二極化の深刻化が根本の背景」だとし、「世帯所得が中位所得の半分に満たない『相対的貧困層』が1990年代の7.4%から現在14%へと倍増し、低賃金労働者の割合が経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最下位圏」として、政府政策を支持する意思を明らかにした。また、「低所得層を支援すれば、他の階層に比べて限界消費性向(追加所得の中で貯蓄されず消費される割合)が高く、消費が増える」とし、所得主導の成長政策にも賛成した。

 パク会長はしかし、「最低賃金引き上げだけに頼ると小商工人が持ちこたえられないため、低所得労働者の所得支援に向けた勤労奨励金(EITC)のような『直接的分配政策』をより果敢に施行するなど、さまざまな政策手段を動員しなければならない」とし、「財政支出の拡大を通じた景気のてこ入れ策も必要だ」と注文した。文在寅政権が18日、勤労奨励金支援の拡大を盛り込んだ下半期の経済政策運用案を発表したことにも支持の意思を表明したということだ。パク会長は雇用の柔軟性を高めなければならないという経済界の主張に対して「社会セーフティネットへの投資が経済協力機構の36の加盟国のうち34位にすぎない状況では難しい」とし、「社会保障の投資が先行されなければならない」と主張した。

 パク会長は、最近大統領の財閥政策が変化の兆しを見せているという指摘に関して「昨年7月の済州フォーラムの時、政府が執権2年目になると経済成績表で評価を受けるしかなく、経済成績が好転するためには企業の士気を考慮するしかないと予想したのが現実となっている」と分析した。さらに、トップ一家の私益詐取、下請けの不公正行為の規制について、「大企業の逸脱行為を防ぐのが企業競争力を害したり市場秩序の確立に悪い影響を与えるとは思わない」と共感しながらも、「(財閥改革に向けて)手術が必要なのか、運動や薬の処方が必要なのか、区分しなければならない」と指摘した。さらに、「(財閥改革は)法と制度だけでは足らず、企業が自主的に従う規範を作る努力が必要だ」と強調した。文大統領は最近、インド訪問の際にサムスン電子の工場竣工式で、賄賂事件で裁判中のイ・ジェヨン・サムスン電子副会長に会い、市民団体からの改革後退という指摘を受けた。

 パク会長は規制改革に関して「企業が仕事を広げやすいよう規制緩和が急務だ」とし、規制総量管理、雇用誘発効果が大きいサービス産業と新産業の規制緩和、参入障壁が高い各種の免許制度の改善などを注文した。また、「国民は規制をなくすと一部企業の逸脱行為によって混乱がもたらされると心配する」とし、「より果敢に規制改革を行い、問題があれば事後的に制裁すればよい」としながら「事前規制緩和-事後規制強化」を新しい規制改革戦略として提示した。さらに、「公務員のために規制改革ができないと批判しているが、現実的に公務員は規制を緩和すれば監査を受けるなど不利益が伴う」とし、「規制改革を行った公務員に対する保護装置が必要だ」と指摘した。

 パク会長は、政府が規制改革の一環として推進中のインターネット専門銀行の銀産分離の緩和について「よく分からない」とし、関心を示さなかった。しかし、ビックデータ産業の育成に向けた個人情報保護緩和推進については「過剰立法が明らかだ」とし、「非識別情報まで利用を防げば、ビッグデータ産業は形成することができない」と強調した。また、「個人情報の過保護は流出という犯罪行為のためだが、ビックデータ関連の国際協力で韓国だけが除外される危険性がある」と指摘した。

済州/クァク・チョンス先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/853931.html韓国語原文入力:22018-07-19 22:00
訳M.C

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