2007年以後、非正規職労働者の賃金水準は正規職の半分を下回っていたが、今年に入って再び50%台を回復したことが分かった。最近数年間の最低賃金引き上げが、正規職-非正規職間の賃金格差を狭めることに影響を及ぼしたと分析されている。
12日、韓国労働社会研究所の「非正規職の規模と実態」報告書によれば、今年6~8月基準で正規職労働者の月平均賃金は306万ウォン(約31.8万円)で、昨年と同等の水準だった。一方、非正規職の月平均賃金は151万ウォン(15.7万円)から156万ウォン(約16.4万円)に3.6%上がった。その結果、正規職の賃金に対する非正規職の賃金水準は49.2%から51%に高まり、2007年(50.1%)以後では初めて50%を上回ったことが分かった。時間当り賃金では、正規職は1万6698ウォン(約1735円)で昨年の1万6795ウォン(約1746円)より97ウォン(0.6%)減ったのに対し、非正規職は昨年の9312ウォン(968円)から今年は9676ウォン(1006円)で364ウォン(3.9%)上がった。これに伴い、正規職に対する非正規職の時間当り賃金比重も55.4%から58%に高まった。
労働社会研究所のキム・ユソン先任研究委員は「過去1年間、正規職の賃金は足踏みだったが、最低賃金が上がった影響で非正規職の賃金は上がり、賃金格差が多少改善されたと見られる。来年は最低賃金の引き上げ幅が大きいため、賃金格差はさらに縮小すると予想される」と話した。今年の最低賃金は、昨年より7.3%(440ウォン)上がった時間当り6470ウォン(673円)で、来年は16.4%(1060ウォン)上がった7530ウォン(783円)になる。今年の最低賃金受恵者は174万7千人であったが、来年はその規模がさらに大きくなると見られる。この報告書は、統計庁が今年8月に調査した「経済活動人口調査勤労形態別付加調査結果」に基づき、非正規職の規模と実態を分析したものだ。統計庁とは非正規職を包括する範疇が違うが、契約職・日雇い・派遣・サービス職だけでなく、雇用契約を結ばずに長期にわたり臨時に仕事をしている長期臨時職を含むなど、やや幅広く捉えている。今年8月基準で統計庁が発表した非正規職の規模は654万2千人(賃金労働者全体の32.9%)であり、労働社会研究所が推算した規模は842万7千人(42.4%)だ。統計庁発表基準では、正規職に対する非正規職の賃金比重は55%程度だ。キム・ユソン先任研究委員は「韓国の非正規職の95.3%(804万人)が、臨時勤労者や臨時勤労を兼ねていて、他国に比べて雇用が極めて不安定だ」と説明した。