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米「11日新しい対北朝鮮制裁案の表決目指す」…中ロ、石油供給上限受け入れる可能性

登録:2017-09-06 03:55 修正:2017-09-06 07:45
米国連大使、安保理の緊急会議で「期限」明らかに 
「金正恩、戦争を起こそうと躍起になっている… 
米国の忍耐は無制限ではない」 
外交消息筋「中国の雰囲気も厳しい」…米国の要求を受け入れる可能性も 
ロシアのワシーリー・ネベンジャ国連大使(左から)、中国の劉結一大使、米国のニッキー・ヘイリー大使が今月4日、北朝鮮の6回目の核実験に対応するため開かれた安保理の緊急会議で話し合っている=ニューヨーク/AP聯合ニュース

 米国のニッキー・ヘイリー国連大使は4日(現地時間)、北朝鮮の6回目の核実験に対応するため、11日の国連安全保障理事会(安保理)で新たな対北朝鮮制裁決議案の表決を目指していると述べた。中国も北朝鮮の今回の核実験にかなり激昂しているとされ、米国の「北朝鮮への石油供給の上限設定」要求を受け入れる可能性が高いという見られている。

 ヘイリー大使は同日、ニューヨークの国連本部で開かれた安保理の緊急会議で「今週中に決議案草案を回覧し、11日の表決を目標にしている」とし、「その前に交渉が終わることを望んでいる」と明らかにした。

 米国が新たな制裁決議案の目標期限を短く設定したのは、極めて異例のことだ。昨年9月、北朝鮮の5回目の核実験に対応して、安保理の対北朝鮮決議第2321号を採択するまでは82日がかかった。今年7月4日、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射した後、決議第2371号を採択するまでは30日がかかった。ヘイリー大使の発言は、事案の緊急性と重大さを考慮し、決議の採択を大幅に繰り上げるということだ。

 ヘイリー大使は「私たちはこれまで(北朝鮮に対して)漸進的アプローチを取ってきた」とし、「善意の意図にもかかわらず、漸進的アプローチは作動しなかった」と主張した。彼女は「国連安保理で中途半端な処置をとる時期は終わった」とし、「これ以上遅くなる前に、あらゆる外交的手段を動員しなければならない時期がきた」と述べた。

 彼女はさらに、「強力な制裁だけが外交的方法を通じた問題の解決を可能にする」としたうえで、「安保理で可能な限り最も強力な対策を作らなければならない」と強調した。北朝鮮の経済とエネルギーの“命綱”とも言える中国の北朝鮮向け石油供給と関連した条項を、新たな決議案に盛り込むという強い意志を示したものと見られる。

 また、ヘイリー大使は「米国は北朝鮮と取引するすべての国に対し、無謀で危険な核兵器を推進する北朝鮮を手助けする国か否かをチェックすることになるだろう」として、決議採択だけでなく、以降の履行過程でも厳しい態度で臨む意向を明らかにした。

 ヘイリー大使は「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)は戦争を起こそうと躍起になっている」とし、「戦争は決して米国が望むものではない。われわれは今それを望んでいるわけではない。しかし、われわれの忍耐は無制限ではない。われわれは同盟とわれわれの領土を守る」と警告した。

 安保理新決議案の最大の関心事に浮上した中国の石油供給の上限設定と関連し、外交消息筋は5日、「北朝鮮に対する中国の内部の雰囲気がかなり険悪だ」としたうえで、「全面中断は難しいかもしれないが、上限をおく方式は受け入れると予想される」と話した。

 中国外交部の耿爽報道官も4日の定例ブリーフィングで、中国が北朝鮮に対する石油供給を調整する可能性を尋ねる質問に、「国連安保理がいかなる反応を示し、いかなる行動を取るかは、安保理理事会での討論結果にかかっている」と述べた。安保理で合意されれば、可能という意味にも受け止められる発言だ。

 米国も中国に石油供給の全面中断ではなく「上限の設定」を求めているという。ヘイリー大使が11日を目途に新たな決議案の表決を進めているのも、中国のこのような雰囲気と無関係ではないとみられる。北朝鮮は中国から年間約100万トンの石油を導入しているものと推定される。

 しかし、北朝鮮に対する経済制裁の手段が事実上石油しか残っていない状況で、中国が簡単に応じるのは難しいという分析もある。中国が最後のカードまで使いつくし、北朝鮮に対する影響力を完全に失う状況を招きかねないからだ。北朝鮮に年間約30万~40万トンの原油を供給しているとされるロシアも、石油供給を制限する方式には積極的でないという。

ワシントン、北京/イ・ヨンイン、キム・ウェヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/809769.html 韓国語原文入力:修正:2017-09-05 22:01
訳H.J(1966字)

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