「中国が朝鮮(北朝鮮)に対する原油の供給を完全に中断し、さらに中朝国境を閉鎖したとしても、朝鮮の核・ミサイル活動を中断させられるかは不確実だ。朝鮮の核活動が中国の東北地方を汚染させない状況では、中国が朝鮮を制裁する態度は米国や韓国のように過激であってはならない」
中国の環球時報は4日付の社説で、北朝鮮に対する原油供給の中断を要求する米国などの提案に否定的な見解を表わした。4月24日この新聞の社説が「平壌(ピョンヤン)が我を張って6回目の核実験をするならば、北京は朝鮮との原油貿易を含む国連安全保障理事会(安保理)制裁決議を支持するだろう」と言ったのとは相反する立場だ。
環球時報が中国当局の公式立場を代弁するものではないが、こうした論調の変化は北朝鮮の核問題を眺める中国世論の変化も示している。4月には当時「危機説」を口実にした米国の軍事的行動の可能性が中国に対して実質的脅威として迫ったが、その後には「虚勢」という評価が出てきた。今や中国は、ドナルド・トランプ米大統領が北朝鮮核問題の責任を中国に負わせ、貿易問題で圧迫を加えることの方に注目している。
北朝鮮の核実験以後にも、中国の外交力量は福建省廈門で開かれている新興5カ国(BRICS)首脳会議に集中している。北朝鮮核問題と関連しては原則的な立場を繰り返している。中国外交部は核実験当日の3日「強く糾弾する」という声明を出した後、4日にはチ・ジェリョン駐中北朝鮮大使を呼んで抗議した。4日、中国外交部報道官の定例ブリーフィングでは、北朝鮮の核実験に関連した質問が多くなされたが、耿爽報道官は朝鮮半島問題3大堅持(非核化、平和・安定、対話・交渉を通した問題解決)原則と双中断(北朝鮮の核・ミサイル開発と韓米大規模軍事演習中断)、双軌並行(非核化と平和体制への履行)など、これまで明らかにした立場を繰り返した。原油の輸出禁止に対しては「制裁内容は国連安保理決議によって決定されるだろう」と述べ、「6カ国協議に対する立場には変わりがない」と述べた。