北朝鮮と米国間の緊張が高まり、韓国総合株価指数(KOSPI・コスピ)が2カ月半ぶりに2320台に下落した。政府は北朝鮮リスクが高まるに伴い、韓国経済の変動性も高まっていると見て、市場の状況を注視している。
11日、コスピは前日より39.76(1.69%)下がった2319.71で取引を終えた。今月9日、米トランプ大統領の「炎と怒り」発言に続き、北朝鮮の「グアム包囲射撃の威嚇」が浮上してから、3日間で75ほど指数が下落した。コスピ指数が2320台以下に落ち込んだのは、5月24日以来2カ月半ぶりだ。外国人は同日だけで有価証券市場で6489億ウォン(約619億円)分の株式を売って、2年ぶりに最も大きな規模の売り越しを見せた。コスダック(KOSDAQ)は11.7(1.83%)下がった628.34で取引を終えた。
同日、ソウル外国為替市場でウォン-ドル相場は前日より1.5ウォン(約0.1円)上がった1143.5ウォン(約109円)で取引を終えた。韓国の5年満期国債に対するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)プレミアムも10日基準で66bpを記録し、2016年4月以降1年4カ月ぶりに最高値を示した。
企画財政部や産業通商資源部、金融委員会、韓国銀行などは同日午前、イ・チャヌ企財部次官補の主宰で関係機関合同点検班会議を開き、「北朝鮮のグアム包囲射撃の威嚇などで金融・通貨市場の変動性が多少高まっている状況」だとしたうえで、「北朝鮮の追加挑発や関連国の対応など、今後の状況の展開によって波及効果の幅と深さが拡大する可能性も排除できない」と明らかにした。
今年に入って北朝鮮ミサイル発射の度に、政府は「市場に及ぼす影響は制限的」だと判断していたが、今回の朝米間の対立が国内の金融・実物市場に及ぼす影響をさらに憂慮の目で見ているわけだ。政府は「いつになく高い警戒心を持って国内外の金融市場や実体経済に対するモニタリングを強化する一方、状況別対応計画に従って迅速に必要な措置を取る」と明らかにした。