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韓国、米中貿易紛争の巻き添えを食らう可能性も

登録:2017-04-17 21:48 修正:2017-04-18 13:43
中国の対米輸出10%減少した場合、韓国のGDP 0.31%減少 
反対の場合は-0.04%とどまり、「高い中国依存度が原因」
ドナルド・トランプ米大統領と習近平中国国家主席//ハンギョレ新聞社

 米国のドナルド・トランプ大統領と中国の習近平国家主席の首脳会談で為替操作国指定など大きなヤマ場は越えたが、最近になって保護貿易主義の基調が全世界に拡散されている流れは明らかだ。この中で、米国と中国の間で通商紛争が起きた場合、韓国経済は米中の板挟みになり、巻き添えを食らうとの分析が出た。特に、韓国経済は輸出・輸入すべての面で中国に対する依存度が高いため、中国が貿易制裁を受けた場合、影響が大きいと予想される。

 韓国開発研究院(KDI)は17日「米国と中国間の通商紛争が韓国経済に及ぼす影響」報告書を発表し、両国間通商紛争が韓国経済に及ぼす影響を供給と需要側面とに分けて分析した。トランプ政権発足後米国の対中国貿易赤字問題が国際政治問題に急浮上しており、通商紛争が勃発する可能性が高いからだ。実際、昨年米国の全体貿易赤字(5006億ドル)のうち、中国との交易による赤字(3098億ドル)規模が60%を超えた。

韓国の輸出における国家別依存(度資料:KDI)//ハンギョレ新聞社

 まず、韓国と中国の国際分業構造が直接的な影響を及ぼす。韓国が中国に輸出する物品のうち、付加価値を基準に31.3%は最終財で、中国内需市場に直ちに吸収される。また、42.9%は中間財で、中国で再加工後、中国内需に吸収されたものと推算された。 残りの25.8%は、中国で再加工され再び輸出されることになるが、輸出物量のうち4.4%の最終到着地は米国だ。中国の対米輸出が10%減少すれば、韓国経済の対中輸出も0.44%減少する構造である。

 需要側面からも影響が押し寄せてくると予想される。両国の貿易紛争による所得や内需の減少が、韓国経済の輸出にも影響するということだ。中国と米国は2014年ベースでそれぞれ韓国の輸出額の20.9%、14.9%の割合を占める国家別の依存度1・2位の国だ。貿易紛争で、両国間の輸出が10%ずつ減少した場合、中国の国内総生産(GDP)は0.84%、米国の国内総生産は0.17%減ると推算された。

 供給と需要に分かれたシナリオを総合して分析した結果、貿易制裁により中国の対米輸出が10%減った場合、韓国の国内総生産は0.31%減少すると予想された。制裁対象である中国の国内総生産が0.84%減るのに比べると、かなりの波及効果を受けることになる。一方、中国が貿易制裁に乗り出して、米国の対中輸出が10%減った場合、韓国経済に及ぼす影響は-0.04%に止まった。貿易制裁の効果が中国と米国経済に及ぼす影響が反対の場合より相対的に少なく、韓国と米国は国際分業構造も形成されていないからだ。

 同報告書は「中国の加工貿易の制限政策などで、韓国と中国間の国際分業が弱まり、両国間の貿易紛争が及ぼす否定的影響が弱体化した」として、「米国を中心とした保護貿易主義拡散に備え、輸出市場を多角化しようとする努力を持続し、米国と中国間の通商紛争が韓国経済に拡大しないように備えなければならない」と指摘した。

ノ・ヒョンウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/791006.html 韓国語原文入力:2017-04-17 20:50
訳H.J(1529字)

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