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米、韓国産変圧器に前例ない“反ダンピング関税爆弾”

登録:2017-03-09 23:48 修正:2017-03-10 06:47
米商務部、現代重工業製品に61%確定…既存3.09%の20倍 
再審判定で既存判定より大幅に高くなったのは異例 
「トランプ自国優先主義の韓国製品封鎖」信号弾か?
ウィルバー・ロス米商務部長官=資料写真//ハンギョレ新聞社

 米商務部が韓国産の大型変圧器に対する反ダンピング最終判定で、再審予備判定に比べて何と20倍さらに上げる“関税爆弾”を投じた。「米国産を買え」として自国産業保護を叫んできたトランプ発保護貿易の最初の弾丸が韓国産変圧器に向けて激発されたと見られている。

 9日、韓国貿易協会と関連企業等の説明を総合すれば、最近米国商務部は現代重工業製の中大型変圧器(60MVA超)に61%の反ダンピング関税再審最終判定を下した。商務部は昨年9月、再審予備判定で現代重工業3.09%、日進電気2.43%、暁星1.76%の反ダンピング関税を決めた。今回、現代重工業の反ダンピング関税率が20倍跳ね上がったわけだ。暁星と日進電気はそれぞれ2.99%を賦課された。反ダンピング関税は、輸出国の市場価格より安く輸出して輸入国の産業が被害をこうむった時、その価格差(反ダンピングマージン)相当を関税として賦課する制度だ。

 予備判定と最終判定の間の反ダンピングマージン(関税)にはしばしば調整がある。例えば、昨年の冷間圧延鋼板の反ダンピング調査事件の場合、現代製鉄に賦課された関税率は予備判定(2.17%)と最終判定(34.3%)の間に大きな差があった。しかし、反ダンピング最終判定以後にこれの適正性を巡って毎年再び開かれる例年再審で関税率がさらに高まることはきわめて異例だ。再審では賦課率を下げるのが不文律のようになっている。貿易協会関係者は「通常は予備判定と最終判定のダンピングマージン率に差があっても、今回のような20倍は前例がない」と話した。

 業界では自国優先主義を掲げた米商務部が、変圧器を筆頭に韓国製品に対する本格輸入規制に乗り出したのではないかと神経を尖らせている。ある変圧器メーカーの関係者は「大型変圧器は現代重工業がグローバル市場で支配的占有率を占めている。多国籍企業ABBと米国の変圧器メーカーのデルスターやペンシルバニアトランスフォーマーテクノロジーが現代重工業を一貫して牽制してきた」と話した。

 今回の事件は2011年に米国の変圧器メーカーが韓国の輸出業者を提訴して始まった。米商務部と国際貿易委員会(ITC)が調査に入り、2012年の最終判定で現代重工業(14.95%)、暁星(29.04%)、日進電気・LS産電(各22.0%)とすることで反ダンピング関税が確定した。続いて2013年からは毎年再審が開かれて、既存最終判定が修正されたが、再審の度に関税率が下がり昨年9月の再審では現代重工業3.09%、暁星1.76%、日進電気2.43%になった。トランプ行政府がスタートして以後、今回突然に爆弾を見舞われたわけだ。韓国企業の米国向け変圧器輸出額は年間2億ドル(約230億円)に達する。現代重工業は「納得できない。米国際貿易裁判所への提訴など異議申し立てを行う方針」と話した。

チョ・ギェワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/785809.html 韓国語原文入力:2017-03-09 18:22
訳J.S(1448字)

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