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米USTR代表候補者「韓国、代表的な対米黒字国」

登録:2017-03-16 23:05 修正:2017-03-17 09:31
上院承認聴聞会でメキシコと共に名指しし 
「両国に対する米国の赤字は常時的であり、規模も大きい」 
WSJ「トランプの保護貿易で韓米FTAの危機」
今月14日(現地時間) 米上院常任聴聞会でロバート・ライハイザー米通商代表部(USTR)代表候補者が発言している=ワシントン/AP 聯合ニュース

 ドナルド・トランプ米政権のロバート・ライハイザー通商代表部(USTR)代表候補者が、米国の貿易国のうち代表的な黒字国として、韓国とメキシコを名指しで言及した。トランプ政権はこれまで、新しい一方主義的通商政策基調を正当化する主要な根拠として、貿易赤字を掲げてきただけでなく、韓米自由貿易協定(FTA)改正を要求するなど、通商圧力を高めていくものと予想される。

 ライハイザー候補者は14日(現地時間)、米上院の承認聴聞会で「貿易格差とFTA状況を根拠に分析すると、3つのカテゴリーに分類される」とし、韓国とメキシコを代表的な対米貿易黒字国に挙げた。彼は韓国とメキシコを名指しした理由として、両国に対する米国の赤字が常時的で、規模も大きいためと説明した。米統計局の資料によると、昨年、米国の対韓国貿易収支は輸出が422億6630万ドル、輸入が699億3230万ドルで、276億6600万ドルの赤字を記録した。また、同期におけるメキシコの貿易収支は輸出が2309億5910万ドル、輸入が2941億5100万ドルで、631億9190万ドルの赤字を記録した。

 ライハイザー候補が中国、日本、ドイツなど対米貿易赤字の核心である貿易大国を除いて、韓国とメキシコを名指しで言及したのは、両国がそれぞれ韓米FTAとNAFTA(北米自由貿易協定)などでつながっており、貿易協定を改正する場合、その業務を通商代表部が担当することと関連があるものとみられる。これに先立ち、米通商代表部は今月1日に発表した公式報告書で、韓米FTAや中国の世界貿易機構(WTO)への加盟、NAFTAなどで米国の貿易赤字が急増したとし、深刻な再検討が必要だと明らかにしている。

 これと関連して、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は15日付(現地時間)で、韓米FTAがトランプ政権の保護貿易主義の基調によって、危機に陥ったと報じた。同紙は、ソウルで開かれた韓米自由貿易協定5周年記念行事のニュースを伝えた後、トランプ政権がこの協定を米国の利益に有害なものとみなしており、「韓国では、やっとのことで実現した合意を米国が再交渉したり廃止するという憂慮が深まっている」と報じた。

 協定に批判的な人たちは韓国との自由貿易協定締結後、韓国産自動車やメモリーチップなどが押し寄せ、米国の競争社と雇用を圧迫したと主張する。米国の進歩的消費者団体である「パブリック・シチズンズ・グローバル・トレード・ウォッチ」のロリ・ウォラック代表は韓米自由貿易協定によって米国の貿易赤字が悪化したとし、「良いルールで協定を代替することが最も良い選択地であり、廃止することも次善の策」と主張した。これに比べて擁護論者たちは「協定はトランプ大統領の好きな2カ国間協定であり、米国が過去の貿易協定から蓄積した知恵を盛り込んでいる」としたうえで、「年間1千億ドル以上の貿易の恩恵だけでなく、両国間の戦略的同盟も考慮しなければならない」と主張していると、同紙は報じた。

 一方、産業通算資源部と韓国貿易協会の資料によると、韓米FTA以降、韓国の貿易収支の黒字が増えた反面、サービス収支などは韓国の赤字が徐々に増えており、対照をなしている。

ワシントン/イ・ヨンイン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/786784.html 韓国語原文入力:2017-03-16 16:55
訳H.J(1606字)

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