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ここ10年の韓国人の「生活の質」向上、GDP成長の半分にも及ばず

登録:2017-03-15 23:25 修正:2017-03-16 14:02
統計庁「生活の質総合指数」初公開 
GDP 28.6%増加する間に 
生活の質指数は11.8%増加のみ 
家族・共同体指標はかえって悪化
グラフィック=キム・スンミ//ハンギョレ新聞社

 国民の生活の質を数値で表現した統計が15日、初めて公開された。2006年以降10年間、韓国社会の経済的富(GDP)は28.6%増加したが、生活の質の総合指数は11.8%増に止まった。何のための経済発展なのか振り返らなければならないというシグナルと受け止められている。

生活の質とGDP比較(資料:統計庁)//ハンギョレ新聞社

 統計庁が15日に初めて公開した国民の生活の質の総合指数は、2015年に111.8を記録し、基準年である2006年(100)より11.8%増えたことが分かった。同期間1人当たりの国内総生産(GDP)が28.6%増加したことに比べ、半分にも満たない幅の上昇だ。統計研究院政策指標研究室のチェ・バウル室長は「2000年代に入り、経済成長が続いても主観的なウェル・ビーイング(well-being)がそれに伴わないという認識が生まれ、量的成長から脱しようという議論が国内外で続いた」とし、「韓国人と韓国社会に焦点を合わせた関連指標を生産するようになった」と説明した。国民の生活の質の総合指数は、教育、安全、所得・消費、市民参加、住居、雇用・賃金、家族・共同体など12領域の80の指標を合算して作成された。統計庁は、国内総生産中心の量的経済指標の限界を克服し、質的な社会発展を測定するため、2009年から「韓国生活の質学会」と共同で指数の開発を研究してきた。

 領域別では、家族・共同体と雇用賃金、住居部門で生活の質の向上がゆるやかであることが分かった。雇用賃金領域の生活の質の指標は103.2を記録し、総合指数(111.8)を大幅に下回った。また、住居領域指標は105.2、健康は107.2を記録した。特に家族共同体領域の生活の質の指標は2005年より1.4%減少した98.6を記録した。この10年間の生活の質が最も急速に改善された領域は、教育(123.9)、安全(122.2)などだった。

 総合指数の作成に参加したソウル大学のキム・ソクホ教授(社会学)は「韓国社会はケアと福祉などで家族共同体の割合が高かったが、最近経済成長率が低迷し、家族の結束力が急速に悪化している」とし、「生活の質指数の上昇が平均水準に及ばない家族共同体、雇用賃金、住居などの領域に政策の優先順位を置かなければならないとみられる」と話した。

2015年国民の生活の質総合指数(資料:統計庁)//ハンギョレ新聞社

 しかし、指数の体感度に対する論争は当分続くものと思われる。「ヘル朝鮮」という用語から見られるように、国民の生活の質の体感度はもう落ちるだけ落ちた状況だ。勢いに乗っている各種の生活の質の指標について、疑問が提起されざるを得ないということだ。キム教授は「総合指数は客観指標と主観指標を混合して抽出したもの」とし、「総合指数の体感満足度を高めるため、主観指標に加重値を付与するなどの補正作業が当分続くしかないだろう」と話した。

ノ・ヒョンウン、キム・ギョンナク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/786586.html 韓国語原文入力:2017-03-15 18:47
訳M.C(1614字)

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