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住宅価格が上がるほど婚姻・出産は減少

登録:2017-03-26 22:46 修正:2017-03-27 05:54
ソウル漢江岸のマンション団地の様子=キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

 安定した生活が用意されなければ、結婚や出産が減らざるを得ないという経験則が数字で確認された。住宅売買価格と伝貰(チョンセ・まとめ払いし契約終了時に返還される賃貸制度)価格が婚姻・出産率と反比例関係にあるという分析結果が出た。

 26日、韓国保健社会研究院が発刊した報告書「結婚・出産形態の変化と少子化対策のパラダイム転換」によると、2010~2014年の合計特殊出生率と粗婚姻率、全国住宅価格動向調査、中小型住宅(60平方メートル未満)の割合、市道別公共賃貸住宅の割合などを比較分析した結果、住宅価格と伝貰価格が高くなるほど、婚姻・出産率が低くなることが分かった。

 粗婚姻率は人口1千人当たりの結婚件数を、合計特殊出生率は15~49歳の出産可能な女性1人が一生産むものと期待される平均新生児の数を意味する。二つの統計値はそれぞれ結婚や出産の実態を示す代表的な指標だ。分析結果を見ると、地域の住宅売買価格と住宅売買価格比伝貰比率は、統計的に有意味に粗婚姻率と合計特殊出生率にマイナス(-)の影響を及ぼした。当該地域の住宅売買価格や伝貰価格が上がると、粗婚姻率や合計特殊出生率が落ちる可能性があるという意味だ。反対に、地域内の中小型住宅の割合と公共賃貸住宅の割合は、粗婚姻率にプラス(+)の影響を与えた。新婚夫婦が新居として得られる安価な住宅や公共賃貸住宅が増えるほど、婚姻件数は増える可能性があるという意味だ。ただ、中小型住宅比率などは合計出産率には統計的に有意味な影響を及ぼさないことが分かった。これに先立ち、国土交通部が2014年の新婚夫婦世帯の住居の実態調査資料を基に分析した結果、住居費(住居生活費と融資支払いを合わせた月平均支出額)負担と住居安定性、適正住居規模が新婚夫婦の出産の決定に重要な役割をすることが分かった。住居費の負担が大きくなったり、住宅面積が小さければ、出産を遅らせるということだ。実際、昨年の婚姻件数は28万1600件で、1974年(25万9100件)以来、42年ぶりに最低値を記録した。停滞した世帯所得増加率、急騰した住居費などの影響が複合的に作用したものと推定される。

 最近「国がすべきことは何か」を出版したイ・ホンジェ元経済副首相は出版記念の懇談会で「賃貸住宅事業に政府が取り組んで大規模な投資をしない国家は先進国の中で大韓民国だけだろう」とし、「住居問題を個人に押し付け、住宅普及率が100%を超過しても住宅価格が乱高下して家計負債は急騰したが、もはや政府の財政投入の優先順位を考え直さねばならない」と提言した。

ノ・ヒョンウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/788010.html 韓国語原文入力:2017-03-26 21:27
訳M.C(1247字)

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