本文に移動
全体  > 経済

「韓国産鉄鋼、トランプの初のターゲットになるかも」

登録:2017-01-18 23:27 修正:2017-01-19 06:48
18日、米国際戦略問題研究所の 
マシュー・グッドマン首席研究員が展望 
「韓国産完成車もトヨタのように 
トランプのツイッターで言及される危険」 
韓米FTA再協議は優先順位が高くない… 
韓国を為替レート操作国に指定する可能性も
米国際戦略問題研究所(CSIS)のマシュー・グッドマン首席研究員=大韓商工会議所提供//ハンギョレ新聞社

「韓国産鉄鋼がトランプ行政府の保護貿易主義の初ターゲットになりうる。韓国企業もトヨタのようにトランプのツイッターで言及される潜在的リスクがあり、これに備える必要がある」

 米国際戦略問題研究所(CSIS)のマシュー・グッドマン首席研究員は18日、ソウル世宗大路(セジョンデロ)の大韓商工会議所会議室で開かれた「トランプ時代、韓国経済の進路」セミナーでの講演でこのように話した。グッドマン氏は「米国の通商政策を指揮する貿易代表部(USTR)、商務部、新設されたホワイトハウス国家貿易委員会(NTC)・国家経済委員会(NEC)の首長を見れば、最も明確な特徴は“鉄鋼”と関連していること」だと話した。ウィルバー・ロス商務長官候補者は、米国の鉄鋼産業構造改革に参加し、ロバート・ライトハイザー貿易代表部代表は中国などの鉄鋼交易制限措置の先頭に立ってきたと彼は話した。ゲーリー・コーン新任国家経済委員会委員長はUSスティールの出身だ。グッドマン氏は「すべて米国の伝統製造業を重視し、外国に攻撃的態度を示した」として「国際交易はウィン・ウィンではなくゼロサムゲーム」と話した新設国家貿易委の委員長ピーター・ナバロまで含めて、通商政策の最高決定者の面々を見ると、韓国に対しては鉄鋼問題が最初に提起される公算が大きと予想される」と話した。米国は現在韓国産の冷延鋼鈑と熱延鋼鈑に対してこれまでよりはるかに高い50%の反ダンピング関税を払わせていて、厚板鋼材とリン銅に対するアンチ・ダンピング調査を進めるなどの輸入規制を強化している。

 ワシントンにある国際戦略問題研究所は、米国の外交・安保および経済など対外政策の決定に影響を及ぼす代表的シンクタンクだ。グッドマン氏は「ツイッターを通じてトヨタの米国工場投資と国境税賦課に言及したように、トランプ氏が外国企業の米国投資を圧迫するための良い取引を成功させるために、特定企業をツィッターでターゲットにする可能性がある」として「韓国の完成車メーカーも目標になりうる」と見通した。

 彼はその一方で「当座は中国との貿易と北米自由貿易協定(NAFTA)の再協議がトランプ通商政策の優先順位になるだろうとし、韓米自由貿易協定が短期間に通商イシューとして登場することは考えにくい」と話した。だが「トランプ氏とウィルバー・ロス商務長官候補者が韓国に対する米国の貿易赤字増加に言及し続けているだけに、今後は協定の趣旨と合意履行をめぐり憂慮が深まるかもしれない」と話した。

 さらに彼は、米国が中国のみならず韓国も為替レート操作国に指定する可能性を排除できないと話した。彼は「すでに財務部が、貿易収支黒字のためにウォンの切り下げを誘導する過度な市場介入をしていると見て、韓国を為替レート操作観察対象国に指定した」として「韓国当局は今すぐではないにしても、為替レート操作国指定の可能性を危険要因と見て警戒しなければならない」と付け加えた。

チョ・ケワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/779293.html 韓国語原文入力:2017-01-18 21:59
訳J.S(1536字)

関連記事