持株会社体制へと転換した企業の大株主らが、自分の企業の支配力を一銭もかけず倍以上に増やしたことが確認された。持株会社制度は、循環出資を通じて少ない持ち分で多くの系列会社を支配する国内の財閥グループの支配構造を改善しようとするものだった。しかし、財閥の経済力集中の道具として誤用される問題点が数値で明白になり、至急補完が必要だという指摘が出ている。
ハンギョレが7日、2001年以後昨年(9月30日)まで人的分割を通じて持株会社体制に転換した上場企業54社を全数調査した結果、大株主(筆頭株主と特殊関係者)の持株会社の持ち分率は平均22.6%増加したものと集計された。大株主の持ち分率は、転換前には平均31.7%だったが、転換後には平均54.3%に増えた。たいてい上場企業の株式持分を1%増やすためには、株価によって数百億ウォンから数千億ウォンもかかる。彼らはこのような費用負担なしに支配力を大幅に強化したということだ。
ここでの核心的な手段は「人的分割方式」の会社分けと「自社株マジック」だ。企業を持株会社と事業会社(子会社)に分けた時、人的分割方式を適用すると、大株主をはじめとする株主たちは既存の持ち株率通りの新設法人(子会社)の株式を割り当てられる。企業が会社の金で買い入れた自社株は、元来議決権を行使しない。しかし、人的分割のときは企業が保有していた自社株の割合分だけ持株会社が子会社の新株を割り当てられるが、ここには議決権が生まれる。このような過程を経て大株主の企業支配力が一層高まるのだが、これを「自社株マジック」と呼ぶ。
54の分析対象企業のうち、大株主の持株会社の持ち分率が2倍以上増えたのは、LGCI、コーロン、韓進重工業ホールディングスなど23社に上る。今回の分析を一緒に行ったユ・ジンス淑明女子大学教授(経済学)は、「大株主の持株会社の持分率が減少したケースは一つもなかった」と話した。このような結果は、ユ教授が分析した36企業と彼の方法論を活用してハンギョレが分析した18企業の支配力の変化を合わせたものだ。人的分割を通じて大株主が支配力をどれくらい高めたのかを実証的に全数調査したのは今回が初めてだ。
また、持株会社だけでなく、事業会社(子会社)に対する大株主の持ち分率も平均31.7%から48.8%へと大幅に増加したものと分析された。ユ・ジンス教授は「それだけ小口株主などその他の株主の権利が侵害されたと見ることができる」と指摘した。
この問題を解消するため、第20代国会ではパク・ヨンジン議員(共に民主党)が人的分割の際に自社株に新株の割り当てを禁止する商法改正案などを提出した。パク議員は「財閥に続き中堅企業の大株主らが自分の金を使わずに支配力を拡大しようと持株会社への転換を推進している。2月の臨時国会で改正案の通過が急がれる」と話した。
韓国語原文入力:2017-02-08 08:32