「日本ロッテホールディングスが明らかにしないので、私たちにも知る術がありません」。韓日両国のロッテの持株会社格である日本ロッテホールディングスの経営権を巡り、創業者一族内で紛争が起きているなか、ロッテ ホールディングスの株主構成を尋ねる質問に対するロッテグループ役員の言葉だ。この役員は「光潤社がロッテホールディングスの最大株主として28%の持分を持っているという事実しか知らない」と話した。
ロッテグループは韓国財界序列5位の大企業集団だ。だが、他の財閥グループとは異なり、その支配構造が完全にベールに包まれている。 これは韓国と日本のロッテグループ支配構造の頂点にいる日本ロッテホールディングスと光潤社が日本の非上場企業であるため、事業報告書を韓国で公示する義務がないためだ。
ロッテの系列会社支配構造を絵に描いてみれば、複雑な集積回路を連想させる。韓国内でのロッテグループはホテルロッテが支配している。 ホテルロッテの下にロッテショッピング、ロッテ製菓、ロッテケミカル、ロッテアルミニウム、ロッテ建設などが系列または循環出資形態の支配構造を備えている。
韓国内ロッテグループの持ち株会社格であるホテルロッテの最大株主は日本ロッテホールディングスだ。 ホテルロッテの今年3月末基準の事業報告書の株主構成を見れば、日本ロッテホールディングスが19.07%で最多持分を保有していて、11社の日本の株式会社L投資会社が3.32~15.63%ずつ株式を分けて全体で72.65%を持っている。また、日本の光潤社が5.45%、日本の(株)ファミリーが2.11%、釜山ロッテホテルが0.55%、ホテルロッテが0.17%、日系会社やホテルロッテの関連会社が持分を所有している。
問題はロッテグループの持分構造が韓国内に事業報告書を公示するホテルロッテ段階までしか把握されていない点だ。韓国内ロッテ系列会社の公示内容のうち、日本ロッテホールディングスと日本側の戦略的投資会社が含まれたものはある。金融監督院は2014年7月、ロッテアルミニウム事業報告書公示書類に最大株主記載欄が空欄になっていたため、公示書類の補完を要求した。 これに対しロッテアルミニウムは最大株主がロッテ第2投資会社(35%)と記載するに終わった。 これに先立って2013年11月、釜山ロッテホテルが最大株主現況を記載せず、補完要求を受けた時も釜山ロッテは日本ロッテホールディングス(47%)が最大株主と公示するに留まった。
キム・テソン金融監督院企業公示総括チーム長は、「(支配構造を正確に把握するためには)日本ロッテホールディングスと光潤社の株式を辛格浩総括会長と二人の息子がどれだけ持っているかを知らねばならないが、これらの会社は全て外国法人であることに加え非上場なので、韓国内はもちろん日本でも公開されていない」として「金融監督院でも把握に努めたが限界がある」と話した。
日本に実質的な持株会社があるロッテは、“外国人投資”を名目にかつて大きな恩恵を受けた。 資本金の99.6%が日本ロッテ所属の日本人名義にされていた釜山ホテルロッテが、ロッテショッピングと共に1984~1989年にかけて旧釜山商高跡地を買い入れた時、外国人投資促進法の適用を受けて当時の価値で数百億ウォンの税金免除を受けたのが代表的だ。 それでも事実上の持株会社が日本企業という理由で支配構造を公開する義務もない。 ロッテも公開しようとしない。 ロッテのある役員は「ロッテが韓国に投資する時、多くの投資家の資金を集めて投資会社を作り、その枠組みが今も維持されているため」とし、「代わりにロッテは問題が起きないよう韓国で稼いだ資金の98%を韓国で再投資してきた」と話した。