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自動運転車・案内ロボット…“夢の技術”裏には“物のインターネット”

登録:2017-01-05 21:42 修正:2017-01-06 10:06
50周年国際消費者家電展示会(CES)、超連結時代への進入への本格化を示す 
物のインターネット技術で到来するた自動運転車の時代 
現代自動車・BMW・トヨタなど、市場の先取り競争 
「人間の自由拡大」vs「労働市場からの疎外」
LG電子がCESで公開した空港用清掃ロボット=ラスベガス/イ・ワン記者//ハンギョレ新聞社

 「3分後到着」スマートフォンのウーバー(Uber)アプリのメッセージが表示されると、ホテルの前に列んで待っているタクシーは見て見ぬふりをした。しばらくすると、ジャーニーが乗った銀色のダッジが到着した。4日(現地時間)、国際消費者家電展示会(CES)の開幕を翌日に控えて、世界有数の企業がプレスカンファレンスで機先を制しようと乗り出した。その現場のマンダレーベイ・ホテルに行くため、車両共有サービスのウーバーを利用した。

 ジャーニーはウーバーの運転手という職業に満足していると話した。一日8時間程度働いて、時間当り平均22ドルを受け取ると言った。米国の最低賃金はカリフォルニア州やニューヨーク州でも2022年ないしは2018年になって時給15ドル水準に上がる。トラックの運転手もしていたジャーニーは、ウーバーの方が良いと言った。ジャーニーと短い対話をした後、人工知能(AI)・ビッグデータ・自動運転車など各種技術の饗宴が繰り広げられるプレスカンファレンス場に入場した。

 “連結”は人間を自由にできるだろうか。今年で50周年をむかえたCESは、このような問いに対する答を人類に投げかける日が遠くないことを見せた。

 前日夜、現代自動車は記者たちを対象に夜間自動運転車の試演を見せた。電気自動車アイオニックにライダー(LIDAR、レーザーレーダー)3個とステレオカメラを装着し、自動運転を可能にした。現代自動車中央研究所のハン・ジヒョン責任研究員は「道路の縁石、信号灯、周辺車両を認識し、人間以上に安全に運行できる」と説明した。実際に乗ってみた自動運転車は夜間でも決められた速度を超えずに、横断歩道周辺の人を正確に認識し停止するなど、安全運転の段階がかなり上がっていることを実感させた。

インテル、BMW、モバイルアイが共同製作している自動運転車のデザインが2017CESで公開された=インテル提供//ハンギョレ新聞社

 CESの最初の基調演説者として登場したエヌビディア(NVIDIA)のジェンスン・ファン最高経営者が取り上げたのも“自動運転車”だった。人工知能研究で先行しているエヌビディアは、アウディとともに2020年発売予定の完全自動運転スポーツ実用車(SUV)に人工知能コンピュータを搭載すると明らかにした。インテルもこの日、BMWとともにプレスカンファレンスを開き、今年下半期までに自動運転車約40台を路上でテストすると明らかにした。クラウス・フレーリッヒBMW理事は「このテストは2021年予定のBMWグループ初の完全自動運転車“iNEXT”発売の重要な踏み台になるだろう」と説明した。

サムスン電子米国法人のティム・バクスター副社長が、サムスン電子の「物のインターネット」強化方案を説明している=ラスベガス/イ・ワン記者//ハンギョレ新聞社

 自動車とIT業者の協業に力づけられ、自動運転車を一般道路で見る日が近づいている。自動車業界の専門家たちは、この自動運転車が大衆化するためには窮極的に“連結性”(コネクティビティ)が重要だと話す。いかなる気象条件や道路条件でも安全に運行されるには、周辺の車や信号灯・管制センターと連続的に情報をやりとりしなければならないためだ。それには「物のインターネット」技術が必須である。

 車両共有サービスのウーバーも、連結が核心である自動運転のための研究に拍車を加えている。ウーバーは昨年末、サンフランシスコで自動運転車サービスを開始したが、州当局の規制で止められた。しかし、自動運転車利用サービスを放棄しないだろう。人間を運転手として使う以上に安全で収益が大きいと見ているためだ。

 ラスベガスのウーバー運転手のジャーニーは、自分の周囲で繰り広げられているIT企業らの革新競争が、自身が満足している働き口を脅かすだろうことを知っているだろうか。ジャーニーだけではない。現代自動車のチョン・ウィソン副会長は、自動運転車の開発が「通勤ストレスを解消するだろう」と予想したが、タクシーやバスの運転席に座る多くの運送労働者の働き口は脅かされることになるだろう。LG電子が開発した空港用ロボットに清掃機能が装着されれば、空港サービス労働者の働き口も減るだろう。今回のCESは米国のシリコンバレーで議論が本格化している“基本所得”の話が、まもなく全世界に広がる日が遠くないという事実も示している。

自動車部品メーカーのコンチネンタルが自動運転のために自動車の周辺環境を認識する次世代モデルを2017CESで公開した=コンチネンタル提供//ハンギョレ新聞社

ラスベガス/イ・ワン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/777525.html 韓国語原文入力:2017-01-05 19:55
訳J.S(2230字)

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