国内最大のポータル会社であるネイバーが、人工知能(AI)や自動運転のような未来技術の開発を加速させている。グーグル、アップルなどと技術競争を繰り広げると宣言した。
ネイバーは、研究開発(R&D)組織(ネイバーラボ)のうち、人工知能・自動運転・ロボテックス(ロボット工学)のような未来技術の開発を担当しているチームを子会社として分離することにしたと24日明らかにした。未来技術開発法人は理事会の承認手続きを経て来年初頭に設立され、ネイバー最高技術責任者(CTO)のソン・チャンヒョン氏(49)が代表を兼職する予定だ。ネイバーは「組職が大きくなり、意思決定の手続きが複雑化したネイバー内部に置いていては、日々激しくなっている未来技術開発や商用化競争でリードしていくことができないという判断によるもの」と説明した。
ネイバーはこの日、2日間の日程でソウル三成洞(サムソンドン)のコエックスで開幕した「2016ネイバー開発者カンファレンス」で、内部的に「生活環境知能」という新しい研究開発目標を定め、研究開発の推進体系をアグレッシブに変えていると明らかにした。ネイバーは国内外の開発者が参加し現場経験やアイデアを共有できるようにするという趣旨で、毎年このイベントを開いている。ネイバーは「生活環境知能という自動運転車、対話型人工知能、高級通訳・翻訳などを通じて、人工知能サービスを日常生活の中に拡散させる」とし、「独立する未来技術開発法人が、生活環境知能の実現の中心地の役割を担う」と話した。
ネイバーはこの日、生活環境知能の実現目標によってこれまで内部的に開発してきた対話型人工知能エンジン「アミカ(AMICA)」と、通訳・翻訳アプリ「パパゴ」を公開した。アミカは人の話を理解し自然な回答もする人工知能技術だ。協力企業がこれをアプリやスマートカーなどに搭載すれば、人工知能のサービスが可能になる。ソン・チャンヒョン最高技術責任者は「サムスン電子のモノのインターネットのチップセットである「アティック」にアミカが搭載され、流通・食飲料メーカーであるSPC、有名配達アプリ「配達の民族」、人気宿泊アプリ「やあ遊ぼう」などもアミカが基盤の新しいサービスを開発している」とし、「スタートアップの活発な参加を誘導するため、『オープン・アミカ・アライアンス』も発足した」と話した。またパパゴは意思疎通の障壁を下げる役割をする。
ネイバーは初の開発ロボット「エム(M)1」も披露した。レーザースキャナーと高性能カメラを搭載している。事務所、ショッピングモール、劇場などを回りながら高精細な室内地図を作る能力を備えている。ネイバーは「機械が人間の日常生活のいたるところの流れや意味を理解するためには、室内空間に何があるかを隅々まで地図で把握しなければならない」とし、「M1のスローガンは『未来を地図で作る』だ」と説明した。
ネイバー取締役会のイ・ヘジン議長は、カンファレンスの挨拶で「人工知能とデータ分析などが実験室の新技術のレベルを越え、通訳・翻訳やロボットの資産投資などで商用化し、日常生活の中に入ってきている」とし、「これからは技術競争がカギであるだけに、良い技術を持ったスタートアップに投資して協業する機会を積極的に増やしていく」と話した。
一方、カカオは中小商工者と消費者を直接つなげる「メーカーズ・ウィズ・カカオ」事業を「カカオメーカーズ」という子会社として独立させることにしたとこの日明らかにした。