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「中国の赤い金」銅価格、ついに反騰か

登録:2016-11-02 22:45 修正:2016-11-03 11:31
中国製造業指数の好調に需給改善の兆し 
4日連続で上昇
中国製造業指数(PMI)推移=資料:NH投資証券//ハンギョレ新聞社

 中国の製造業指数が予想外の好調を見せる中で、中国製造業の鏡と呼ばれる銅の価格が反騰を続け、市場の注目をあびている。

 1日に発表された中国の10月財新製造業購買担当者指数(PMI)は51.2で、前月(50.1)より上がったと集計された。市場の予想(50.1)を大きく上回り、2014年7月(51.7)以来2年3カ月ぶりの最高値を記録した。PMIは受注、生産など5項目に関する製造業購買担当者の回答を集計したもので、この数値が基準線の50を上回れば景気が拡大しているという意味だ。財新製造業PMIは7月に50を超えた後、上昇傾向を辿っている。同じ日に発表された中国国家統計局の10月製造業PMIも51.2に上がり、前月(50.4)より大幅に改善された。大型国営企業中心のこの指数とともに、中小民営企業の比重が高い財新PMIが上昇したことは、業界状況の好調の影響が国営企業だけではなく、中小民営企業まで伝わっていることを意味する。

 中国製造業の景気と密接な関係がある銅価格は、4日連続で上昇を続けた。1日(現地時刻)ロンドン金属取引所(LME)で銅(3カ月物)はトン当たり4878ドルで、1週間に3.2%上がった。銅とともに代表的な景気敏感材に挙げられる鉄鉱石の価格も3週連続で上昇した。先月31日、韓国鉱物資源公社が発表した週間鉄鉱価格は、トン当たり62.3ドルで6.3%騰がった。世界最大の鉄鉱石消費国である中国の需要急増により輸入量が増えたためと見られる。1日、反騰に成功した中国の上海総合指数は、韓国、台湾、香港などアジアの主要証券市場がほとんど1%中盤台に下落した2日にも0.6%の下落に終わり善戦した。

最近の銅価格推移=資料:NH投資証券//ハンギョレ新聞社

 銅は景気循環について経済アナリストに劣らずよく反映し、ウォール街では「ドクターC」(銅の英語表記Copperの頭文字)として重視される。建築から宇宙船まで製造業全般で使われる基礎素材として、実物経済の需要をよく反映するためだ。特に世界の銅の半分近くを消費する中国では「赤い金」と言われている。需要の増加で銅価格が上がれば、世界の成長エンジンの役割をしてきた中国の製造業が良くなる信号と見ることができる。

 韓国の最大輸出国である中国の製造業動向は、韓国経済にも大きな影響を与える。特に鉄鋼・機械業種の輸出増加率は、中国PMIと密接な相関関係を持っている。

 代表的な産業金属である銅は、2011年に歴史的最高値のトン当たり1万ドルをつけた後、底の見えない下落局面に入り込んだ。中国景気の下降に加え、鉱山企業の増産が重なって、供給過剰が容易に解消されなかったためだ。今年に入って亜鉛(53%)、錫(43%)など他の非鉄金属価格は急騰したが、産業金属の代表格と言える銅は4%台の上昇に終わっていた。

 最近、鉱山企業と精練所の減産により超過供給が減る中で、製造業の状況改善にともなう中国と新興国のインフラ投資で需要が改善されるならば、銅価格の低迷脱出が可能だという見通しも示されている。ただし、中国政府が資産価格バブルを憂慮して不動産規制に乗り出している点は、依然として負担として作用している。新韓金融投資のソン・ソンイン研究員は「中国の大規模インフラ投資で需要改善が期待され、来年には銅価格のゆるやかな反騰が予想される」と話した。

ハン・クァンドク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/768484.html 韓国語原文入力:2016-11-02 17:29
訳J.S(1531字)

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