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中国の成長率が1%下落すれば韓国は最大0.6%鈍化

登録:2015-11-09 21:57 修正:2015-11-10 12:18
KDIなど国内外の機関が相次いで懸念示す 
航空・電気電子・化学に打撃予想 
硬着陸に備え家計負債などの対策を

 国策研究院である韓国開発研究院(KDI)が9日、中国の成長率が1%ポイント下落する場合、韓国の成長率は最大0.6%ポイント下がると分析した。

 同研究院が同日発表した報告書「最近の中国の経済不安に対する評価と示唆点」によると、中国経済による衝撃は、中国向け輸出の鈍化などによる直接的な衝撃が0.2%ポイント、アジアの新興国や資源輸出国など、中国周辺国の経済の減速に伴う間接的な影響が0.2〜0.4%ポイントと推計された。産業別では中国経済への依存度が高い航空産業(1.38%)が最も大きな衝撃を受け、電気および電子機器(1.13%)、化学(1.09%)なども1%以上の工業生産が減少すると同研究院は分析した。同研究院は、「中国の構造調整が投資関連産業を中心に進めば、中間財と資本財の輸出が多い韓国経済が受ける衝撃はかなりのものになるだろう」と警告した。

 国際通貨基金(IMF)も同様の分析を示した。イ・チャンヨン国際通貨基金アジア・太平洋担当局長は先月末、米紙ウォールストリート・ジャーナルとのインタビューで、「中国の成長が年間1%ポイント鈍化した場合、アジア諸国の成長率は0.8%ポイント程度下落する。(中国経済の減速による)転移衝撃が当初予想よりもはるかに深刻だ」と述べた。

 先月初めには、米国の投資銀行JPモルガンが「中国が咳をしたら、誰が風邪を引くのか」という題名の報告書で、中国の成長率が1%ポイント下落したら、世界の成長率は0.5%ポイント、先進国は0.2%ポイント下がり、アジア新興国は0.9%ポイント低下するものと予想した。

中国が硬着陸した場合、国内産業別の生産減少率。//ハンギョレ新聞社

 しかし、これらの分析機関は、中国経済の硬着陸(ハードランディング、景気急落)の可能性については留保的な立場だ。イ・チャンヨン局長は、中国が硬着陸するかどうかについて、「過度な懸念」であるとし、「海運と小売などのサービス分野が製造業の不振を相殺している」と述べた。国際通貨基金は、先月初めに発表した世界経済展望(WEO)で、中国の来年の成長率を6.3%と予測した。韓国銀行も今月初めに発表した通貨信用政策報告書で、「中国の成長率が鈍化しているが、急激な不振に陥ることはないだろう」とし、中国経済が(硬着陸する可能性より)軟着陸する可能性の方が高いと予想した。

 キム・ソンテ韓国開発研究院研究委員は、「中国の硬着陸の可能性を完全に排除できない状況」としながらも「(景気刺激のための)財政および金融政策を現在の水準よりも緩和的に運用する余地があり、3兆5000億ドルもの外貨準備高も十分だ」と述べた。ただし、キム委員は「(中国が)硬着陸した場合は波及効果が非常に大きいため、家計負債の急増を制御するなど、韓国経済の脆弱性を改善しなければならない」と付け加えた。

世宗/キム・ギョンラク記者、イ・ボンヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-11-09 19:55

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/716642.html 訳H.J

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