地下経済の陽性化と課税指標透明化のための政策的努力にもかかわらず、韓国の地下経済比重は依然として経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最も高いという分析結果が出た。
キム・ジョンヒ全北大教授(経済学)は最近発表した「租税回避の誘引が経済成長と租税の累進性、持続可能性に及ぼす影響に対する研究」論文で、1995~2014年OECD加盟26カ国の国内総生産に対する地下経済と租税回避金額の比重を分析した。その結果、韓国の地下経済の比重は20年平均で10.89%、租税回避の比重は3.72%と分析された。2014年の国内総生産が1486兆ウォン(約134兆8700億円)だった点を考慮すれば、地下経済の規模は161兆ウォン(約15兆円)、租税回避規模は55兆ウォン(約5兆円)と推算される。
キム教授の論文は、地下経済の比重に対する国際比較も併せて明らかにした。論文によれば、韓国の地下経済と租税回避の比重はOECDの他の加盟国に比べて最も高い水準だ。韓国を除くOECD加盟25カ国の地下経済比重は、過去20年の平均で7.66%だった。先進国と評価される主要7カ国の平均は6.65%で、韓国との格差はさらに広がる。租税回避比重も高い方だった。韓国を除くOECD加盟25カ国の平均は2.86%、主要7カ国の平均は2.21%水準だった。韓国より地下経済の比重が高い国は、スロバキア、ポーランドなど東欧圏の国々とイタリア、ギリシャなど「財政後進国」だけだった。
論文によれば、1995年当時、国内総生産の13.96%に達していた韓国の地下経済比重は次第に減少し、2009年には8.5%で最低値に下がった。しかし、その後は10%前後の足踏み状態が続いている。2008~2009年に地下経済の比重が大幅に下がったのは、グローバル金融危機の影響によるものと見られる。
韓国政府は1990年代に金融実名制、不動産実名制などの政策を展開し、2000年代にもクレジットカード活性化など課税の透明化努力を続けてきた。朴槿恵(パククネ)大統領は「地下経済陽性化」を大統領選挙の公約として掲げた。だが、キム教授の論文に現れた地下経済の比重の最近の推移からすると、意味のある成果が達成されたとは言えない。
これに対して租税財政研究院のアン・ジョンソク先任研究委員は「多くの経済活動が陰性的に行われた以前とは異なり、経済全般の透明性が非常に高まった」として「顕著な変化が起きうる状況ではないため、地下経済規模の微視的変化を綿密に観察することが重要だ」と指摘した。一方、キム教授が出した地下経済の相対的規模推定値は、既存の分析に比べれば低い水準だった。これに先立って地下経済分析のオーソリティと言われるオーストリアのフリードリヒ・シュナイダー教授は、2012年の韓国の地下経済規模を国内総生産対比26.3%と分析したことがある。租税財政研究院は2010年に17%水準という分析値を出したことがあり、現代経済研究院も2013年に23%という分析値を提示した。
地下経済とは、国民の経済活動のうち税政当局など政府の公式統計で把握できないすべての「闇の経済活動」を意味する。家事労働から不法経済活動まで広範囲に及ぶだ。これに対し租税財政研究院は2011年「地下経済の規模推定」報告書で「地下経済の規模を推定するために多様な方法が使われているが、実際の地下経済の規模は立証不可能」として「地下経済の絶対的な規模を推定するよりは変化の動向と変化要因に焦点を合わせることが望ましい」と提案した。