登録 : 2016.05.15 23:11 修正 : 2016.05.16 07:30

社会責任経営の3冠王に選ばれた英国本社 
進出国家ごとに異なる基準を適用 
韓国でだけ10年間加湿器殺菌剤を販売

経実連や環境運動連合など韓国の市民団体と加湿器殺菌剤被害者と家族の会の会員が9日、ソウルの世宗文化会館前で加湿器殺菌剤製造企業の処罰要求および「オキシー製品不買」運動を始める記者会見をしている=キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

法の網を抜けるため有限会社に変更
原材料物質の公開も韓国などには適用せず
国際協約・各国法制化など至急必要

 昨年「有限会社RBコリア」(以下、オキシー)の英国本社「レキットベンキーザー(Reckitt Benckiser)」は社会責任経営3冠王を達成した。「ダウ・ジョーンズ持続可能発展指数」(DJSI)、「FTSE4GOODインデックス」に連続編入されたのに続き、世界経済フォーラムが選定した「持続可能経営100大企業」でも生活用品販売企業中で最も高い順位を占めた。

 今回のオキシー事態が一層衝撃的であるのは、これまで消費者に向けて見せてきたレキットベンキーザーの特別高い製品責任意識のためだ。 同社は2001年以後、「使用制限物質リスト」を通じて消費者に影響を及ぼすおそれれのある物質を自ら管理し、昨年には消費者の安全のために透明な製品情報の提供を目的に「消費者安全と医薬品管理」という研究開発チームが組織された。

 このように企業が果すべき社会的責任に誰よりも透徹した信念を持っていた同社が、どうして過去10余年間にわたり、韓国でのみ453万個に達する人命殺傷水準の加湿器殺菌剤を販売できたのか。

 結論から言えば、多国籍企業のレキットベンキーザーが本社と韓国支社(オキシー)に適用した企業経営基準が異なるダブルスタンダードが大きな影響を及ぼした。 ダブルスタンダードとは、先進国の多国籍企業が本社と外国の支社にそれぞれ異なる制度と原則を適用することを称する。 個別国家ごとに化学物質の取り扱い基準が異なるが、多国籍企業は自社に有利な方式の基準を選ぶために二重の基準が存在することになるわけだ。

 ハンギョレ経済社会研究院が2015年にレキットベンキーザーが発刊した持続可能性報告書を調べたところ、環境、社会、支配構造など企業が果さなければならない社会的責任全般でダブルスタンダードの存在が発見された。

 先ず、環境領域でレキットベンキーザーの英国本社では、登録されていない化学物質の市場販売を事前に遮断するために1998年ヨーロッパ連合(EU)が制定した「化学物質管理制度」(REACH)を準用している。 だが、韓国では製品の有害性が発見されても有害性の責任所在を決定しにくい改正前の韓国の「化評法」(化学物質の登録および評価などに関する法律)を根拠に加湿器殺菌剤を販売した。

 製品に使われる原材料物質の公開についても本社と支社の基準は異なっていた。 英国本社は「2015持続可能性報告書」を通じて2020年までに自社製品に使われるすべての原材料物質を100%公示すると明らかにしたが、対象国家は決まっていた。 レキットベンキーザーが自社製品の原材料物質を公開するために公式運営中のホームページは、世界200余の販売国家のうちヨーロッパ、北米、オーストラリアだけだ。 韓国をはじめとする開発途上国には適用されなかった。

 レキットベンキーザーのダブルスタンダードは支配構造にも見られる。 2014年ヨーロッパ連合の決議により500人以上の事業場であるレキットベンキーザーは、理事会内の女性比率(約29%)、経営陣の国籍(49カ国)など支配構造情報を透明に明らかにしている。 しかし、韓国のオキシーは2011年の加湿器殺菌剤事件以後に「RBコリア」に社名を変更したのに続き、法人格も株式会社から有限会社に切り替えた。 改正された商法により有限会社の設立基準が緩和され、オキシーが外部監査と公示義務の免除を受けられるようになったことが強く作用した。 本社の支配構造関連規定は厳格になっている反面、韓国支社は5年前の事態発生以後に財務情報公開責任を回避してきた。 最近、韓国政府の規制改革委員会が有限会社も外部監査を受けるよう勧告したが、依然として公示義務については自由だ。

 このようなダブルスタンダードを事前に防止したり補完する方案はないのだろうか。

 国際的水準の指針と協約を用意して、個別国家はこの基準に符合する法制化に乗り出す必要がある。 「韓国社会責任投資フォーラム」のイ・ジョンオ事務局長は「廃棄物の国際管理基準であるバーゼル協約のように、環境医薬品目でも人類共同の価値を守る国際協約が必要だ」と話した。 さらに、根本的には多国籍企業の社会的責任に対する態度の変化が先行しなければならないという声が強い。 東国大経営学部のイ・ヨンミョン教授は「国内法と比べて強制性が弱い国際協約がきちんと履行されるためには、多国籍企業内部の実行意志が何よりも重要だ」と強調した。

ハンギョレ経済社会研究院ソ・ジェギョCSRチーム長 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-05-15 20:19
http://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/743955.html 訳J.S(2267字)

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