中国の北京に住む周氏(35)は10年以上サムスン電子の携帯電話を使ってきた“サムスンマニア”だった。 周氏は2014年4月、ギャラクシー ノート3からファーウェイの携帯に乗り換えた。 先月27日、北京市内で会った周氏は「2004年のエニーコールを皮切りに一貫してサムスンの携帯を使ってきたが、価格が半値で機能も大差ないため中国製に乗り換えた。 自分の家族はもちろん友人たちもそうしている」と話した。 北京の龍山(ヨンサン)電子街と呼ばれる中関村の1階にある携帯電話代理店のある社員は「アイフォンとファーウェイ製がよく売れ、他の製品はパラパラ」と話した。
機能は同等…価格は中国製の2倍
サムスン携帯の占有率は2013年以後下り坂
よく売れていた現代トゥサン車も販売量“急減”
中国製品、低価格に咥え技術競争力まで
韓国の輸出企業は成長モデルの限界に直面
韓国を代表するサムスン電子の携帯電話製品は、一時中国市場で占有率1位を疾走し世界の携帯電話市場を席巻したが既に事情が変わった。 同等の機能で価格が安い汎用製品が市場にあふれ、サムスン電子の高価格携帯ギャラクシーS6エッジは、アップルのアイフォン6Sと熾烈に争い、中低価格携帯であるギャラクシーAとギャラクシーJはファーウェイ(華為)やシャオミ(小米)と苦しい価格競争を行っていた。 市場調査機関ストラテジーアナリティックスの集計によれば、サムスン電子製の携帯電話は中国市場で2013年に19.7%で最高占有率(数量基準)を記録した後、2014年には13.8%、2015年(第3四半期基準)には7.2%に下がっている。 同じ期間の世界市場占有率も下落している。
昨年中国では中国企業の長城自動車(長城汽車)、江淮自動車(江淮汽車)、長安自動車(長安汽車)が1千万ウォン(約100万円)台のスポーツ実用車(SUV)を発売し、大人気を呼んだ。 一歩遅れて、韓国の現代自動車がトゥサンとサンタフェの価格を2~3万中国元(18~36万円)下げて対応したが及ばなかった。 2014年には毎月数千台売れていたトゥサンは昨年には数百台水準に減り、中国市場で6%台を維持していた現代自動車の占有率も5%台に下がった。
中国市場に大きく依拠していた鉄鋼・石油化学などの中間材産業も大きな打撃を受けている。 ポスコチャイナのハン・ソンヒ副総経理(常務)は「中国経済の成長が停滞し、鉄鋼消費量が初めて減少を示し鋼材の価格も下がった。 中国現地企業と外国企業が生き残りを賭けて激しい生存競争を行っている」と話した。
中国の成長鈍化による需要減少は、韓国の輸出企業にとって直撃弾になっている。さらに深刻な脅威は、中国企業が価格競争力での優位のみならず、技術競争力でも韓国との格差を急速に狭めている点だ。
李明星・中国企業連合会常勤副会長は「中国企業が技術革新を進め、グローバル企業との格差を狭めている。 サムスン電子も技術的優位を維持できなければ競争で遅れをとることがありうる」と話した。 パク・レジョン北京LG経済研究所長は「中国政府の製造業育成政策である『中国製造2025』によれば、韓国の成長動力と大きく重なっているが、大部分で韓国と同等または先んじている水準だ」と話した。
専門家たちは韓国の製造業が既存の成長モデルから抜け出し、新たな枠組みを作らなければならないと強調している。 イ・ジョンドン・ソウル大教授(産業工学科)は「韓国はこれまで先進国が提示した“概念設計”を一早く模倣・改良し成功できたが、それも限界に達した」として「韓国自らが創意的で根本的に新しい概念を提示できる概念設計力量を確保しなければならない」と話した。