朴槿恵(パク・クネ)大統領が韓米首脳会談を翌日に控え、米国が主導する環太平洋経済パートナーシップ協定(TPP)に加入する意志を公式化した。朴大統領がTPPの妥結以後、これに言及したのは初めてだ。
朴大統領は15日(現地時間)、ワシントンDCの戦略国際問題研究所(CSIS)での演説を通じて「韓国は先週発表されたTPP妥結を歓迎する」として「すでにTPP(参加)10カ国と自由貿易協定(FTA)を締結している韓国はTPPでも米国の自然なパートナーと考える」と述べた。 朴大統領はこの日、米商工会議所で開かれた「第27回韓米財界会議」特別演説でも「ヨーロッパ連合(EU)や中国など世界の巨大経済圏と自由貿易協定ネットワークを構築した韓国がTPPに加入することになれば両国企業により多くの利益をもたらすことができるだろう」と述べた。
朴大統領がTPP加入の必要性を明らかにしただけに、16日(現地時間)に予定されたバラク・オバマ米国大統領との首脳会談でTPP追加加入問題が議論されるかが注目される。 ただし朴大統領に随行中のアン・ジョンボム大統領府経済首席は、現地ブリーフィングで「(首脳会談の議題としてTPP問題は)まだ含まれていない。 決定されていないと承知している」と説明した。
今月5日(現地時間)のTPP妥結後、韓国政府は追加参加の是非を慎重に検討するという意向を明らかにしていた。 貿易協会など経済団体ではTPP加入を強く求めているが、200億ドルを超える対日貿易赤字がさらに増えかねないとして反対する声も少なくない。 パク・ヨンマン大韓商工会議所会長もフェイスブックを通じて「日本と米国がTPP加入の代価として韓国に望むものは、受け入れ困難なものが多い。 韓国が日本から得る関税の切り下げは少なく、韓国の機械、部品、自動車市場は無差別に日本の攻撃を受けることになる」と憂慮したことがある。
主務部署である産業通商資源部が国会産業通商資源委員会所属の正義党キム・チェナム議員室に最近提出した報告書「TPP現況および対応方向」によれば、「TPP発効には相当の時間が必要とされると思われ、短期的に韓国経済に及ぼす影響は制限的」としつつ「TPPは高い水準の市場接近を追求しているだけに農水産物、対日製造業など韓国国内の一部の敏感な分野に対する追加市場開放要求の可能性が存在する。これに備える方案摸索が必要だ」と分析した。