登録 : 2015.10.07 08:52 修正 : 2015.10.08 08:01

政府のTPP参加検討に慎重論提起
貿易協会など経済団体の追加加入論
韓国貿易比重の32%占める巨大市場
日本・ベトナムの競争力に押される
“TPPへの焦り”には反論も多く
自動車など関税撤廃効果大きくない
台湾などと連帯で交渉力育てるべき

環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の交渉が妥結した5日、米国のジョージア州アトランタの交渉場で、マイケル・フロマン米国交渉代表(左)とベトナムのブー・フイ・ホアン産業貿易省長官が挨拶を交わしている=アトランタ/ EPA聯合ニュース

 米国や日本など12カ国が参加した環太平洋経済パートナー協定(TPP)が妥結し、政府と貿易業界を中心に積極的参加に向かう雰囲気が高まっているが、利害得失を綿密に計算し参加の可否と時期を調整すべきとする声も一層高まっている。

 TPP妥結は韓国に大きく二つの次元で通商戦略の再検討を迫る課題を投げかけている。まずTPPは世界輸出市場で韓国と激しく競争する日本が米国と自由貿易協定(FTA)を締結する意味があるという点だ。韓国政府は日本より先に米国をはじめとする巨大経済圏と相互FTAを積極的に締結することにより、自動車など製造業輸出で競争力を高める戦略をとってきた。だが、日本が加入したTPの妥結でその効果がどれほど相殺されるのか、対外環境の変化を綿密に点検してみなければならない必要が生まれた。そして、韓国がTPPに追加で参加するなら、これは韓日FTAの迂迴的妥結になるという点も検討課題となる。これまで韓日FTA交渉が不振だったのは、日本も開放に積極的でなかったとはいえ、韓国も累積した対日貿易赤字と主要部品・素材産業での競争力の低さの問題が作用した側面がある。2014年基準で韓国貿易収支は474億ドルの黒字を記録したが、対日貿易収支は215億ドル少なかった。

 このような状況の中で韓国貿易協会など経済団体や一部専門家たちは輸出競争力低下などを憂慮し、韓国のTPP追加加入を求めている。この日、貿易協会は「TPP交渉が妥結され政府も加入を決断する時がきた。TPPは韓国の全貿易に占める比重が32.4%になる大変重要な市場だ」と明らかにした。また、LG経済研究院のキム・ヒョンジュ研究委員も「日本やベトナムなどが米国市場で輸出競争力を高めることになり、韓国の競争力を維持するためには加入は避けられない」として「TPPは中国の顔色、アジアインフラ投資銀行(AIIB)は米国の顔色を見て遅延させた前轍を踏まず、今からでも積極的にやる必要がある」と話した。6日、チェ・ギョンファン副総理兼企画財政部長官がTPP妥結に関し「公聴会など通商手順を踏み参加の有無と時期を決めることにする」として、参加を「いかなる形であれ」繰り返し強調したのもこうした憂慮や脈絡がある。

 一方でそうしたを憂慮を“TPPへの焦り”として慎重論を示す声も少なくない。キム・ヤンヒ大邱大教授(経済学)は「TPPによる当面の関税撤廃効果は大きくない」と指摘した上で、「参加する前に、TPPによる国内総生産の増大効果だけでなく個別産業に及ぼす影響などの実体把握を行うべきだ」と話した。TPP参加にともなう効果と不参加にともなう不利益が、以前問題になった巨大経済圏とのFTAに比べさほど大きくない点も、こうした慎重論を後押しする。産業通商資源部の「環太平洋経済パートナー協定(TPP)関連参考資料」によれば、TPP参加で韓国の国内総生産(GDP)は発効時点比で10年後に1.7~1.8%増大すると予想された。これは韓米FTA(0.02~5.66%)や韓EU・FTA(0.10~5.62%)、韓中FTA(0.95~3.04%)に比べると増大効果が低い。その上、TPPに参加しないとしても、10年後のGDP減少幅が0.12%に過ぎず、事実上、影響力は大きくないと分析された。

 さらに国内産業がTPPにより輸出で被る打撃は当分は制限的という展望も出される。NH投資証券の分析家アン・ギテ氏は「完成車の場合、日本で関税率引き下げが適用されるのに相当な時間がかかり、電子製品はすでにほとんどの国で関税率が低いか賦課せずにおり、韓国の輸出競争力が大きく毀損されることはない」と見通した。IBK投資証券の分析家イ・サンヒョン氏も、自動車分野に関し「米国やメキシコなどにすでに韓国完成車と部品企業等がともに進出しているので実際の影響は大きくない」と明らかにした。また、繊維や衣類業種は、ベトナムで生産中の国内企業の価格競争力がむしろ強化されることもあると予想した。イ・イルヨン韓神大教授(経済学)は「今後の(TPP)協定文を見なければ分からないが、基本的に妥結を急いでも予想より効果は少ない」とした上で「世界経済で貿易比重が停滞したり減少しており、経済効果が短期的に発生することはなさそうだ」と指摘した。

 TPPはまた、12カ国の各国批准手続きなどが残っており、発効まで相当な時間がかかるものと見られる。産業部の通商関係担当者は「米国大統領選挙などの影響で2017年か2018年に発効されるものと見られる」と語った。

 結局、こうした中で参加を急げば、いわゆる“入場料”の負担だけ高くなるという指摘もされる。ナム・ヒソプ弁理士は「米国はTPP参加の先決条件として、多国籍金融機関が保有する顧客個人情報の海外移転、有機農食品認証制度緩和などを要求している」と批判した。実際、米国だけでなく日本も、自動車市場の強力な開放を要求するなど、既存の参加国ごとに自国に有利な要求事項を追加で出してくる可能性がかなり高い。このためキム・ヤンヒ教授は「単独で参加するより、台湾など連帯勢力を作って交渉力を高めるべきだ」として「北朝鮮を含む東アジア経済の共同懸案を扱い、韓中はもちろん韓中日FTAを議論して地域の主張を高め、開放要求を防ぐ必要がある」と話した。

イ・ジョンフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-10-06 22:10

http://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/711699.html訳Y.B

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