パク・ヨンマン大韓商工会議所会長がフェイスブックを通じ、「環太平洋経済パートナーシップ協定(TPP)拙速論議」に厳しい忠告をしたことを機に、「TPP慎重論」が勢いをつけられるか注目される。 財界からTPP慎重論が公式に提起されたのはこれが初めてで、全経連など他の経済団体内部でも一部に懐疑的な反応が出ている。
大韓商工会議所は8日、パク会長がフェイスブックに載せた文と関連して「TPP加入は今後の交渉で私たちが何を与え、何を得られるかにより事情が変わるので、実益を正確に確認しなければならない。 (パク会長の文は)TPP加入を拙速に急ぐことは望ましくないという経済界内部の慎重論を伝えたもの」と明らかにした。 パク会長は今月7日にフェイスブックで、「日本、米国がTPP参加の代価として我々に要求するものは受け入れ困難なものが多い。我々が日本から得る関税切り下げは少なく、我々の機械・部品・自動車市場は無差別に日本の攻撃を受けることになる」と指摘した。
イ・ドングン大韓商工会議所常勤副会長も「韓国の部品・素材産業は対日依存度が高く、対日貿易赤字が年間200億ドルを超える状況だ。 韓国はすでに自由貿易協定(FTA)をこまめに締結してきたので、今さら遅れてTPP参加を焦る必要はない」と慎重論を主張した。 匿名を要請した全経連幹部は「TPPと関連した財界の共同意見は未だなく、TPP参加にともなう得失について意見が交錯している」として、慎重な態度を示した。 ただし、経済団体の中で韓国貿易協会はどこよりも早急な加入決断を求めてきたが、TPP参加は拙速との指摘に対しては、“無条件”に加入しようということではないと説明した。匿名を要請した貿易協会の幹部は「TPP交渉をするにしても、国益に及ぼす得失を明瞭に計算しなければならない」と明らかにした。
経済界からTPP慎重論が出てくるのは、参加12カ国のうち韓国と2国間FTAがない国は日本とメキシコの2カ国に過ぎず、日本の平均実効関税率が1%であるのに対し韓国は7.8%という状況で、関税撤廃により韓国が失うものが多いのではという憂慮が強いためだ。
一方、企画財政部幹部は「(チェ・ギョンファン)副首相が国会でどんな形でであれ(TPPに)参加する方向で検討すると明らかにしたのは、原則的な水準で話したに過ぎない」と話した。