本文に移動
全体  > 経済

李明博資源外交の成功事例「プレオ鉱山」の事業性も疑問

登録:2015-09-21 01:44 修正:2015-09-21 07:19
 外国の会計法人、4月の報告書で
 「資産価値の算定の際、欠損を反映せず」
 事業継続のリスクを非常に高く評価
メキシコのプレオ鉱山=資料写真//ハンギョレ新聞社

 韓国鉱物資源公社が投資の成功事例として挙げているメキシコのプレオ銅鉱山事業について、外国の会計法人が今年4月に会計監査報告書で「継続企業(going concern)として存続することを前提に財務諸表が作成されているが、これに大きい疑問を呈す状況が存在する」と明記したことが分かった。

 国会産業通商資源委員会所属のキム・ジェナム議員(正義党)が鉱物資源公社から得たプレオ事業(2014年12月基準)に対する会計監査報告書によると、会計法人のデロイトは今年4月20日に報告書を発行し、特記事項として「当社の財務諸表は、資産と負債を通常の営業活動の過程で帳簿に示された価額で回収したり、返済できるという仮定の下で会計処理された。しかし、これらの仮定に大きい疑問を呈する状況が存在する」と書いた。会計法人は、「2014年12月31日と2013年の欠損金は、それぞれ2億6325万8000ドル、2億4819万4000ドルだが、財務諸表は継続企業として存続ができないかもしれないこのような状況を反映しなかった」と付け加えた。

 同会計法人はこれについて「注1」をつけて「継続企業として持続可能かどうかは、次の決定的な要因を満たすかどうかにかかっている」とし「株主からの継続的な資金支援、プレオプロジェクトの開発の完了、収益構造の創出」であることを明らかにした。これと共に「経営陣は、韓国鉱物資源公社の継続的な支援と投資を基盤に、これらの要因が達成できると信じている」と付け加えた。

 会計監査報告書を検討したキム・ギョンリュル会計士は「会計法人がこのような意見を出す場合は、会社が倒産した場合、訴訟のリスクなどから自らを守るための措置で、事業継続の危険性が非常に高いものと見ているため」と述べた。

 資源外交の杜撰な事例として挙げられるプレオ事業について、鉱物資源公社は昨年8月にプラント建設を完成しており、今年1月に電気銅の生産を開始したとして、投資回収が可能であると主張してきた。しかし、会計法人は、「プロジェクト開発の完了」が必要であると指摘しており、特に鉱物資源公社の支援と投資を事業持続の決定的な要因としていることから、今後より多くの国の資金が投入されるものと予想される。今年に入って6月末までに830億ウォン(85億2000万円)をプレオ事業に投入した鉱物資源公社は、今年4月に2億ドルの追加支援を決定した。

 キム・ジェナム議員は「公社側は、1月から生産を開始し、7月まで1919トンを生産したとしているが、鉱物資源公社の主張を受け入れても、少なくとも月に1750トンの生産しなければ、損益分岐点に達しない。海外資源外交の問題が拡大しないように、徹底的に検証すべきだ」と指摘した。

ソン・ギョンファ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-09-20 20:19

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/709662.html 訳H.J

関連記事