韓国ウォンの価値が急落傾向(為替レート上昇)を見せている。 27日、ソウル外国為替市場でウォン・ドル為替レートが取引中に3年ぶりの最高値に達し、ウォン・円為替レートも終値基準で最近8カ月で最高水準を示した。世界的な景気鈍化によりドル・日本円のような安全資産に対する選好度が高まった上に、数年にわたり唯一強勢を見せてきた韓国ウォンが元の位置に戻る過程と解説される。
この日、ウォン・ドル為替レートは1ドル当り1167.0ウォンで取引を終えた。前営業日(7月24日・1167.90ウォン)よりは多少下がったが、開場直後には1170.40ウォンを記録したのに続き、取引中には一時1173.0ウォンを付け、最近の上昇基調を継続した。取引場での為替レートとしては2012年6月12日以来、3年1カ月ぶりの最高値だ。
ウォン・ドル為替レートは1ドル当り1117.50ウォンから1カ月余で50ウォン以上上がった。 上昇率は5%に達する。 昨年7月、1008.50ウォンまで落ちたことと比べれば、1年で最低値対比15%近く上昇した。 韓国ウォンの価値下落は対日本円為替レートも引き上げている。 この日、ウォン・円為替レート(午後3時告示基準)は前営業日対比で2.17ウォン上がった100円当り944.71ウォンで締め切られた。 日本円対比で今年の最高為替レートであり、初取引日(1月2日・916ウォン)と比べて3%以上上がった。
対外的に安全資産であるドルと日本円に対する選好度が高まり、中国経済が萎縮したことによる韓国の輸出減少に対する憂慮が韓国ウォン価値を引き下げている。 特にドルの場合、29日に米国連邦公開市場委員会(FOMC)で金利引上信号をさらに明確に与えるという期待感がドル高を維持する要因として作用している。 イ・ジョンウ IBK投資証券センター長は「ドル高の中で韓国の輸出に大きな影響を及ぼす中国、新興国の経済指標が悪化し続けていることが為替レート上昇を煽った」として「米の利上げ時期が具体化されれば、韓国国内の外国人資金がさらに抜け出るだろう」と話した。 最近高い数値を示していたウォン為替レートが元の位置に戻っていく“調整”過程という解釈もある。 実際、2011年以後の平均ウォン・ドル為替レートは1097ウォンで、1100ウォンを超えなかったし、昨年6月には1017.70ウォンまで下がりもした。
当分は為替レート上昇により外国人資金が離脱して、これに伴う影響で再び為替レートが追加引き上げされる流れが続くかもしれないという憂慮も出ている。 ハ・ゴンヒョン新韓金融投資リサーチセンター研究委員は「米の利上げ期待と韓国製造業の輸出減少、原材料価格の下落が続く中で、外国人が今月だけで韓国内証券市場から2兆ウォン台の資金を抜いた。 ドル高で外国人資金の離脱が続き、ドルの流出が為替レート上昇幅を拡大する様相」と話した。 反面、韓国内の輸出企業は、為替レートの上昇が価格競争率を高めると期待している。
今の趨勢が続けば、ウォン・ドル為替レートが1200ウォンを超えるだろうと展望されている。 ハ委員は「為替レートの上昇を止められる明確な要因が目につかないだけに、1ドル当り1200ウォン台に進む余地がある」と見通した。一方、最近の為替レートが急上昇したため、鎮静傾向を見せるだろうという予想もある。 チョン・スンジサムスン先物責任研究員は「ドル高に対する警戒感が形成されていて、外国人投資資本の動向を憂慮した政府が金融危機以後に経験したことのない1ドル当り1200ウォン線を容認しないだろう」と展望した。