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エリオット、サムスン株主総会無効訴訟など長期戦の可能性

登録:2015-07-18 01:58 修正:2015-07-18 07:26
 社員を動員しての委任状集めなど訴訟の対象
 配当性向の拡大など履行を圧迫する見込み
チェ・チフン・サムスン物産建設部門代表が17日昼、ソウル・良才(ヤンジェ)洞のaTセンターで開かれた臨時株主総会で、サムスン物産と第一毛織の合併案を通過させ議事棒をたたいている =キム・ソングァン記者//ハンギョレ新聞社

 17日に開かれたサムスン物産の株主総会で、第一毛織との合併案を否決させるのに失敗したエリオット・マネジメントの今後の動きに注目が集まっている。エリオットは配当性向の拡大、支配構造の改善など、株主尊重の経営を実践するというサムスンの約束の履行を圧迫しながら、株主総会の無効を訴える訴訟を含む様々な法的対応を通じて長期戦を繰り広げる可能性が高いと思われる。エリオットは11日、ハンギョレとのインタビューで短期投資を通じた、いわゆる「渡り鳥」の可能性を一蹴した。

 エリオットは株主総会で敗れた後、報道資料を通じて失望を示し、「すべての可能性が残されている」と明らかにした。これは、エリオットが今後、様々な法的手段の動員する可能性を示唆したものと解釈される。

 エリオットは既に株主総会前から様々な法的対応を予告してきた。エリオットは「物産側が従業員を大規模に動員して小口株主を対象に議決権の委任状をもらったことは明白な訴訟の対象」と指摘した。物産の株式を保有している国内の資産運用会社のある幹部は「株主の中には合併に賛成する人と反対する人もいるが、経営陣が、従業員を動員して賛成株主のためにマスコミ広告や委任状を受け取る活動を行うのに、巨額を投じたのは背任の素地がある」と述べた。市場では、物産株主総会で合併賛成率が出席株主の69.53%で、法律で定められた最低限度(出席株主の3分の2)である66.7%とわずか2.86%ポイントしか差がないということから、物産の小口株主を相手にした委任状集めが、今回の株主総会の表決結果に決定的な影響を及ぼしたものと見ている。

 エリオットはまた、物産の従業員がスイカや化粧品、パンなどを手土産に、全国の小口株主を戸別訪問して委任状を書いてもらったことも、株主総会の無効事由に該当すると見て、法的な検討を行っている。一部の証券会社が、サムスン物産株主を対象に賛成の委任状をもらったことも、資本市場法に違反する可能性が提起されている。

 エリオットはサムスン物産の経営陣が合併の必要性を強調する活動の一環として、投資説明会やマスコミとのインタビューで、会社の価値を下げる発言をしたのが背任に当たるのかも検討している。サムスン物産社長はこれまで、「物産の貿易と建設は斜陽産業なので、合併が霧散されると株価が大幅に下落する危険性が高い」と強調してきた。エリオット側は、サムスン物産の自社株を購入したKCCに背任の疑いがあるのかも検討している。

 証券業界ではエリオットが、このような多様な法律的な対応が失敗した場合、最後のカードとして政府や国民年金を相手に、韓米自由貿易協定上の政府と投資家間の訴訟(ISD)手段を活用する可能性もあると予想している。エリオットはハンギョレとのインタビューでISDを利用する考えはないことを明らかにしたが、その後、国民年金がサムスン物産合併に賛成することを決定し、議決権行使の専門委員会がこれに対して問題を提起して緊急会議を招集したことが、立場の変化をもたらす要因として挙げられる。

 サムスン物産と第一毛織の合併が確定されると、統合サムスン物産に対するエリオットの持分は2%台にとどまる。一方、サムスングループのオーナー家の支配力は非常に強固となり、エリオットが株主総会の表対決でサムスンを攻撃することは困難になる見込みだ。

クァク・ジョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-07-17 19:46

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/700768.html 訳H.J

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