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サムスン物産がエリオットに勝訴…株主総会で第一毛織と合併議決へ

登録:2015-07-02 08:07 修正:2015-07-02 11:20
ソウル地裁、株主総会決議禁止仮処分棄却
米国系ヘッジファンドのエリオットマネジメントがサムスン物産と第一毛織の合併を議決する臨時株主総会の中止を求めた仮処分申請が裁判所で棄却された1日、ソウル・瑞草区のサムスン物産本社前を社員が通り過ぎている=聯合ニュース

「合併比率不公正主張に根拠ない」
自社株KCC売却の判断は先送り
サムスン「円滑な合併に最善」
エリオット「裁判所決定に失望」

 米国系ヘッジファンドのエリオットマネジメントが、第一毛織と合併を議決するサムスン物産の臨時株主総会(7月17日)を防ぐため裁判所に提起した仮処分申請が1日、棄却された。裁判所はサムスン物産と第一毛織の合併比率は適法に決定され、合併目的も不当でないと明らかにした。しかし、サムスン物産が友好な持ち株比率を増やそうと自社株をKCCに売却したことに反発してエリオットが出した「株式処分禁止仮処分申請」に対しては、裁判所の決定を先送りした。

 この日、ソウル中央地裁民事合議50部(キム・ヨンデ民事首席部長)は、エリオットが提起した「総会招集通知および決議禁止」仮処分を棄却したと明らかにした。裁判所はエリオットが主張した合併比率の非公正性に対し、「資本市場法施行令第176条5第1項第1号で系列会社間合併の場合、合併価額を算定する時に100分の10の範囲で割引または割り増しができると決めている」と述べ「自律にまかせている割引または割り増しをしなかったという事情だけで合併価額および合併比率の算定が顕著に不公正だとはいえない」と明らかにした。また、合併目的の不当性については「サムスン物産経営陣がサムスン物産およびその株主の利益と関係なくサムスングループのオーナー家(中略)利益だけのためにこの合併を推進すると見るほどの資料はない」と判断した。

 裁判所はエリオットが7人の理事に対して違法行為維持請求権(理事が法令または定款に違反する行為を行って損害が発生する恐れがある場合、理事の行為を防ぐように請求できる権利)を申請したことに関連し、商法特例条項である「6カ月前から株式0.025%以上を保有した者」に資格を与えることを根拠に申請を却下した。これは改正商法施行後の2011年の高裁判例が「0.1%持ち株保有者」(商法一般条項)、「6カ月以上0.025%持ち株保有者」などで維持請求権資格があるとしたことを覆すことになるので今後の議論が予想される。

 裁判所の決定に対するサムスンとエリオットの反応は相反した。サムスン物産は「歓迎し、合併が正当で適法に進行しているので当然の結果だと考える」とし「今回の合併が企業と株主の誰もが得をし、すべての過程が適法に進行していることを持続的に説明して円滑に合併を終えるよう最善を尽くすだろうと明らかにした。サムスンはこの日も、合併サムスン物産が大株主になるサムスンのバイオ系列会社が証券会社分析家と機関投資家などを対象に説明会を開くなど、合併シナジー効果を説得するために慌ただしく動いた。

 反面エリオットは、「裁判所の決定に失望したが、合併案は公正でないだけでなくサムスン物産株主の利益に反するという立場は変わらない」と述べ「裁判所が自社株をKCCに不適切な方法で売却したことに対してはまだ判断していないし、エリオットはサムスン物産の行為が不法だったと信じている」と明らかにした。

 裁判所は当初、この日する予定だったエリオットの株式処分禁止仮処分申請に対する決定を遅らせ、かなり苦心している様子だった。この事案に対する裁判所の決定は、2011年の商法改正後初めてで、それ以前は経営権防衛のための自社株処分と関連して判例が交錯していた。商法改正後、ソウル大ソンオンニョル教授(法学)の『商法講義』など教科書では「理論的には自らの株式の処分時にも株主の新株引受権を認めることは正しい」と明らかにし、経営権防衛のための自社株処分を違法なものと解釈した。これに先立ちサムスン物産は、株主総会で友好持分を増やすためKCCに自社株全量(5.76%)を売却した。

イ・ジョンフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-07-01 20:58

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/698492.html?_fr=mt2 訳Y.B

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