先月の国際線予約取り消し24万人
旅行シーズンの今月も運航縮小継続
中国人観光客の訪韓回復はまだ先
証券会社は今年の実績展望値を低目に
原油価格の低下と旅行客の増加で第1四半期(1~3月)の実績が良好だった国内航空業界が、旅行シーズンを目前にした6月に発生したマーズ(MERS)の影響で、バラ色の経営目標が揺らいでいる。中国人観光客の大量の航空券予約取り消しで、7、8月の航空機運航を縮小したうえ、中国人観光客の訪韓需要が回復するまで多少時間がかかると予想されるためだ。
5日、航空業界の資料を総合すると、アシアナ航空は6月の国際線乗客9万8千人が搭乗予約を取り消したと集計された。これに伴い、今年6月の国際線乗客は昨年の100万9454人より15.7%低い85万552人に終わった。
大韓航空は6月に国際線で10万5千人が搭乗予約を取り消したことが分かった。昨年6月の国際線搭乗客が112万5797人であったことを考慮すれば、その10%に近い規模だ。済州(チェジュ)航空は6月1~27日まで集計された国際線搭乗客が19万1千人で、予約取り消しは4万人余りに達した。
国内線も搭乗客数が減っているのは同じだ。大韓航空は約2万4千人、アシアナ航空は約1万6千人が予約を取り消した。今年は原油価格の低下と為替レートの影響で、6月以前に航空旅客の規模が毎月、昨年より15~20%増加しており、痛恨の損失となった。
これに伴い、航空企業等は搭乗率低下にともなう損失額を減らすため相次いで運航縮小に入った。大韓航空は6月15日から7月31日まで、片道基準として中国の39路線で611便、日本の13路線で188便減らした。アシアナ航空も6月9日から7月29日まで、往復基準として中国16路線と日本6路線で合計129便運航を減らした。また、済州航空は7、8月の2カ月間、中国2路線を運航中断し、2路線は往復基準として合計23便運航を縮小した。
今月に入りMERS事態が沈静化傾向を見せ始め、内国人旅行客を中心に航空券予約が次第に増える傾向にあるが、シーズンの大きな機会を生かすのは難しそうだ。名前明らかにすることを敬遠したある航空業界関係者は「7、8月に外国に出かける需要は回復が早いでしょうが、外国から来る旅行客のMERS不安感を振り払いには時間がもっとかかりそうだ」と話す。
証券会社は第2四半期ばかりか、第3四半期や年間実績展望値を低くしている。キウム証券チョ・ビョンヒ研究員は「MERS問題が長期化しないなら第3四半期の中盤から正常化が期待されるが、シーズンに突入する今月初めの予約まで一部影響がでていることを考慮し、大韓航空の第2四半期と第3四半期営業利益展望値をそれぞれ822億ウォン(約90億円)と2851億ウォン(約314億円)に下方調整した」と説明する。韓国投資証券のユン・ヒド研究員も「大韓航空とアシアナ航空の今年の営業利益推定値を、それぞれ1兆50億ウォン(約1105億円)から9069億ウォン(約998億円)に、4182億ウォン(約460億円)から2709億ウォン(約298億円)に下げる」と明らかにした。
一方、政府はもちろん航空・ホテル・観光業界が中国人観光客をはじめ外国人観光客の訪問を回復させるため本腰を入れている。アシアナ航空はこの日、ロッテホテル、韓国観光公社、ハナツアーなどと共同で中国旅行会社社長団とメディア関係者、パワーブロガーなど200人を3泊4日で韓国に招請することにした。政府も団体観光客のビザ手数料を今月6日から9月30日まで免除することにした。
韓国語原文入力:2015-07-05 22:03