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株主総会控え合併比率再算定で苦心するサムスン

登録:2015-06-08 10:44 修正:2015-06-08 13:18
サムスン物産外国人投資家との交渉の行方

チェ・ジフン社長が直接香港に行き対話
第一毛織との合併比率再算定となれば
イ・ジェヨン副会長の持分多少減る見込み
「対応方針まだ公開することはない」
交渉失敗時は株主総会で困難な戦い予想

サムスン物産主要株主現況 資料:経済改革研究所など //ハンギョレ新聞社

 サムスン物産チェ・ジフン社長が5日、直接香港に行き、長期投資指向の外国系機関投資家らと交渉を始めたことは、第一毛織とサムスン物産の合併はもちろん、イ・ジェヨン副会長中心の三世後継構図の構築のための事業構造改革にも相当な影響を及ぼすと見られ、今後の成り行きが注目される。

サムスンが外国系機関投資家との妥協に成功すれば、米国系ヘッジファンドのエリオット・マネジメントの攻勢から抜け出し、市場の信頼を高めることができる土台が用意される反面、失敗すれば多数の外国人投資家と対立し、来月の株主総会で困難な戦いを強いられる可能性が高まる。

 オランダ年金基金(APG)などサムスン物産株主のうち30~40ある長期投資指向の外国系機関投資家は、第一毛織とサムスン物産の合併自体に反対しているのではなく、合併比率(1対0.35)を問題にしていることを明確にした。APGのパク・ユギョン理事は「サムスンが安定した三世体制構築のための支配力強化に合併が必要だとする趣旨は理解する」とした上で、「経営権安定は少数株主のためにも必要だが、すべての株主の利益に合うように公正な合併を望む」と強調した。

 外国系機関投資家は、エリオットが合併条件への反発を公開した事態は、事実上、サムスンが「招待状」を送ったことから始まったと認識している。パク理事は「公正な合併比率は外国人投資家だけを大切にしたものではなく、会社と株主すべてのため」としつつ、「エリオットに対する“食い逃げ論争”のようなナショナリズム的主張は、市場とサムスンのためにまったく役に立たない」と主張した。パク理事は「すべてのファンドは方法は異なるが、投資利潤を出そうとする目的は同じだ。合併比率が不公正な状況でヘッジファンドが飛び込んでくるのは当然で、むしろ他社が来ないほうが不自然なほど」と語った。

 外国系機関投資家はエリオットと共同行動をとるつもりはないとしながら、独自路線を追求する方針を明確にした。ある外国系投資家は「エリオットは株主総会前に株式を売り抜くことができるが、長期投資家には不可能なので、長期的な株主価値向上と支配構造改善を求める」と強調した。

 外国系機関投資家は合併比率の再算定の要求と関連し、最近オーストラリアで不当な会社分割に対して株主が反対すると直ちに猶予決定を下した事例を紹介し、特に難しいことではないはずだと指摘する。また、追加の合併などで事業改編をする場合 株主権益保護の原則を明確にするのは当然だと主張する。その大部分はサムスン物産だけでなくサムスン電子などサムスン主力社の株式も持っている。パク理事は「サムスンは昨年のサムスン重工業とエンジニアリングの合併が株主の反対で失敗に終わった教訓を得たと思ったが、サムスン物産のケースを見るとそうではなさそうだ」と憂い、「今後第3、第4の事業改編が続くはずだろうが、こうしたことが二度と無いようにすべきだ」と念を押した。

 現時点でサムスンと外国系機関投資家間の交渉の見込み占うのは容易でない。外国系機関投資家は3月の現代車株主総会の時のようなウィンウィンの成果を期待する。当時、現代車は、韓国電力の土地を高値で入札した問題を受け株主価値向上と支配構造の改善を要求され、現代車がこれを受け入れて改善策を打ち出した。

 サムスンは長期投資指向の外国系投資家とは積極的に対話する方針だ。だが、その要求を受け入れるかどうかはサムスンの中でも強弱の対応方針が対抗していることが分かった。合併比率を再算定する場合、エリオット事態後に40%ほど急騰した現在の株価を単純に考慮しても、イ・ジェヨン副会長の合併会社の持分が16.5%(従来合併比率基準)に2~3%ポイント低くなる負担を甘受しなければならない。サムスン物産役員は今後の対応方針について「まだ公開することはない」と答えた。

 一方、サムスン物産の持分7.12%を保有し合併条件に公開的に反発したヘッジファンドのエリオットは5日、9.79%の持分を保有する国民年金などに共同歩調を要請する書簡を送ったと伝えられた。

クァク・ジョンス先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-06-08 01:20

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/694913.html 訳Y.B

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