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ロッテグループ、次男シン・ドンビン会長中心に新たな後継構図

登録:2015-01-10 02:10 修正:2015-01-10 08:08
長男シン・ドンジュ、すべての役職から解任
「長男は日本、次男は韓国」の構図急変
シン・ギョクホ総括会長、人事理由公開せず
「後継構図に亀裂」問責人事との推測
「何らかの決断」下した可能性も
ロッテグループ総帥家系図。シン・ギョクホ(93)総括会長、シン・ヨンジャ(73)ロッテ奨学財団理事長、シン・ドンジュ(61)日本ロッテ副会長、シン・ドンビン(60)ロッテグループ会長。 //ハンギョレ新聞社

 ロッテグループのシン・ギョクホ(重光武雄)総括会長の長男シン・ドンジュ(重光宏之)氏がグループ内のすべての役職から解任された。 「韓国ロッテは次男シン・ドンビン(重光昭夫)会長、日本ロッテは長男シン・ドンジュ氏」でまとまったように見えたロッテグループ後継構図にどのような変化が起きるかが注目される。

 ロッテグループの持株会社とされるロッテホールディングス(日本所在)は8日開かれた臨時株主総会で、シン・ドンジュ副会長(61)を解任したと9日発表した。先月ロッテ、ロッテ商社、ロッテアイスなど3社の役職を解かれたのに続き、ロッテホールディングスの副会長からも退いたことで、グループ内のシン・ドンジュ氏の役割は完全に消えた。日本ロッテだけでなく韓国ロッテも「シン・ギョクホ会長だけが知っている」と人事の理由を公開しない。

 シン・ドンジュ氏がロッテホールディングス副会長から退いたことをめぐり、これからロッテグループの後継構図に変化が起きるという観測が出ている。ロッテグループの支配構造は、日本ロッテホールディングスを頂点にホテルロッテ→ロッテアルミニウム→ロッテ製菓→ロッテショッピングの出資構造になっている。

ロッテグループの支配構造。シン・ギョクホと特殊関係人51.4%(シン・ギョクホ 6.8%、シン・ドンビン 5.3%、 シン・ドンジュ 4.0%、 ロッテアルミニウム 15.3%)→ロッテ製菓→ロッテショッピング、ロッテチルソン飲料、ロッテフード。//ハンギョレ新聞社

 今回の人事については、昨年系列会社の株式買取で後継構図の安定性に“ノイズ”を立てたシン・ドンジュ氏に対する父シン・キョクホ会長の問責人事という推測が出てくる。 2013年8月の相互出資禁止の規制によりロッテショッピングが所有していたロッテ製菓の株式42000株が市場に流れると、シン・ドンジュ氏は昨年8月までロッテ製菓の株式を12回にわたって一度に500〜600株ずつ買い取り、2009年当時3.48%であった持ち株比率を昨年9月3.92%まで引き上げた。 2013年基準韓国ロッテの売上高は83兆ウォンに達するが、日本ロッテの売上高は5兆7000万ウォンに過ぎず、実績も低迷している。

 経営権構図だけを見れば「日本は長男、韓国は次男」に分離された状態であり、韓国ロッテの売上高が日本のロッテの売上高を大きくリードしているが、株式保有の面では韓国ロッテはまだ日本ロッテの支配を受ける会社だ。会社の規模の違いだけでは後継構図を占うことはできないということだ。ロッテの持株会社とされる日本ロッテホールディングスの持分は、シン・ドンビン会長が19.1%を確保しており、シン・ドンジュ会長の持分はこれよりも多いと言われているが、具体的な数値は明らかになっていない。

 ロッテホールディングスの株式は日本の会社である「光潤社」が27.65%を所有し、この会社を誰に渡すかによって、ロッテの支配権が変わる。またロッテショッピング、ロッテ製菓など主要系列会社の持分率でも兄弟の間でほとんど差がない。 2014年9月基準ロッテ製菓の株式は、シン・ドンビン会長が5.34%、シン・ドンジュ氏が3.92%を持っており、ロッテショッピングの持分は、シン・ドンビン会長が13.46%、シン・ドンジュ氏が13.45%を所有している。 「株式保有構図に変化がない以上、今回の解任も一時的措置に過ぎないかもしれない」(キム・ジンバン仁荷大学教授)との観測が出てくる理由だ。しかし、いくつかの関連会社における兄弟間の持分がほとんど変わらないように調整するなど、経営権承継にかかわる後継構図をまだ明確に決めずにいたシン・キョクホ会長が、まだ健在な現時点で自分が持っているロッテの株式を二人の兄弟のうち誰に与えるかについて、何らかの決断を下したことはないかという分析も出ている。

 後継構図がどのような形になっても、これを契機に事業部門の関連性よりも「地理的な境界」を基準に経営権を分けてきたロッテの経営方式が合理的なものに変わらなければならないとの助言もある。キム・サンジョ経済改革連帯所長は「2013年に東南アジア市場で日本ロッテ製菓と韓国ロッテ製菓が衝突するなど、ビジネスの領域ではなく、“後継”の観点からグループ分割経営が行われてきた。後継構図の面でも、単純な地域分割は劣る方が不満を持たざるをえない構図だ。韓国ロッテと日本ロッテがビジネスの観点から統合的に管理されなければならない」と述べた。

キム・ヒョジン、チョ・ケワン記者、東京/キル・ユンヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015/01/09 19:24

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/672955.html  訳H.J

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