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[ニュース分析] 韓国‘コメ主権 崩壊’不安山積み…‘高率関税’放棄すれば現実化

登録:2014-07-18 11:34 修正:2014-07-19 06:02
韓国政府‘コメ市場 全面開放’を宣言
農食品部「関税化しなければ義務輸入物量を増やすしかない…
関税化しなかったフィリピンは輸入物量を2.3倍に増やした」
17日夜、政府が奇襲的にコメの全面開放措置を発表することが明らかになるや、農民団体代表がソウル世宗路(セジョンノ)の政府ソウル庁舎前で雨に打たれながら発表の中断を要求する徹夜座り込みを行っている。 イ・ジョンウ先任記者 woo@hani.co.kr

全農「WTO交渉を通じて輸入物量増やすな」
他の農民団体は高率関税を要求
「日本・台湾のように500%以上を」

 来年から韓国のコメ市場が全面開放(コメ関税化)されれば、輸入米が食卓を占領するだろうか? 全国農民会総連盟(全農)の主張するとおり食糧主権が崩壊し、世界穀物メジャーによって韓国内のコメ市場が振り回されることになるのだろうか?

 18日、韓国農林畜産食品部が既存方針通りにコメ関税化を公式宣言する予定で、国内のコメ市場に大きな波紋が予想される。 農食品部は今年末でコメの関税化猶予期間が終了するため、これまで‘ワイバー’(例外的状況で世界貿易機構の協定上の義務を一時的に免除されること)と関税化の二つの方案を巡って検討してきた。

 全農は世界貿易機構(WTO)と交渉を行い‘関税化しなくとも義務輸入物量(MMA)も据え置ける’(現状維持)と主張してきたが、それは現実的には不可能だというのが政府の判断だった。 去る6月、韓国と共にまだコメの関税化をしていないフィリピンが、再びワイバー交渉に成功したが、義務輸入物量は2.3倍(35万→80万5000t)に増やすなど相当な代価を払うことになった。これを見て韓国政府は関税化方針を固めた。 ワイバー交渉を通じて再びコメ関税化の猶予期間を延長するとしても、義務輸入物量を世界貿易機構相手国に対してさらに増やさなければならないため、大きな負担として作用するということだ。

 農食品部は300~500%の高い関税率さえ維持すれば、コメ関税化以後も現在の義務輸入物量(40万9000t)を超えるコメ輸入量は微小に留まると判断している。 去る6月25日現在で国内コメ価格は80㎏当たり16万8816ウォン(約16600円)。 アメリカ産の国際価格は8万ウォン程度。 仮に直ちに米国産米が輸入される場合、関税率を400%にすれば32万ウォンになり国内産とは競争にならないというのが農食品部関係者の説明だ。

 結局、コメ関税化を行う場合、政府がどれくらい高い関税率を付けて、相手国との交渉を通じてそれを継続できるかが国内のコメ産業保護にとってカギになるものと見られる。 11日、国会公聴会で農民団体と学界関係者たちが‘400~500%台の高い関税率維持’を強調したのもまさにこのためだ。

 13万人の会員を率いる韓国農業経営者中央連合会(韓農連)のソン・ジェボム事務総長は△コメ関税化の時、自由貿易協定(FTA)等の他の交渉で‘コメの譲歩を除外する’を国民に約束△最低400%以上の高率関税維持などを政府に要求した。 パク・ヒョンデ全農政策委員長は「コメ市場の開放方法は交渉を通じて決める事項であり、ドーハ開発アジェンダ(DDA)農業交渉の時まで関税化猶予を申し込み、その時までは現状維持するという我々の立場は世界貿易機構会員国としての正当な権利」と主張しつつも「コメ関税化を行う場合、同等関税率(Tariff Equivalent)は510%に設定できる」と話した。 同等関税率とは、国内外の価格差から計算した非関税保護効果に相応する関税を言い、‘(国内価格-国際価格)/国際価格×100(%)’で計算される。

 イム・ビョンヒ韓国コメ専業農中央連合会政策部長は「日本や台湾の事例のように最低500%以上の高率関税を守り、関税縮小が決定されても一定期間は高い関税率を維持するという国家の約束が必要だ」と主張した。 農民団体はこのように自由貿易協定と環太平洋経済パートナー協定(TPP)交渉でコメを譲歩対象から除外するという内容の国家の約束、または法制化が必要という点を特に強調している。

 全農は「我が国の食糧自給率は22%しかなく、コメ自給率も80%台に下がった」として「カーギルなど四つの穀物メジャーが韓国穀物市場の60%以上を占めている状況で、コメ市場まで全面開放されれば食糧主権が崩れるだろう」と憂慮している。

キム・ギョンム先任記者 kkm100@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/647470.html 韓国語原文入力:2014/07/18 10:12
訳J.S(2012字)

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