2006年11月から南陽乳業の代理店を営んできたパク・クンス(44・仮名)氏は本社の営業支店長キム・ピルス(39・仮名)氏の言葉を忘れられない。
"ここは私のナワバリ(区域を表す日本語)です。 私が王様です。" キム支店長は、パク氏が代理店を営んできた地方の営業所支店長として2011年12月に赴任するやこのように宣言した。 以前の支店長以上に物量押し込み販売を試み、代理店主らが抗議するとすぐに言った言葉だ。
ある代理店主は負けずに問い詰めた。 「支店長様は自分の家族が代理店運営をしていても、このような形で物を押し付けられますか?」 キム支店長の表情は冷酷に変わった。 「あなたは明日から代理店を閉める準備をして下さい。」 支店事務室へ物量押し込み販売に対する抗議をするため集まった30人余りの代理店主たちは当惑感を隠せなかった。
キム支店長はやりすぎだったと言う。 100万ウォン分の商品を注文すれば300万ウォン分を代理店に押し込んだし、売れ残った乳製品は代理店主の冷蔵庫にぎっしりと詰められた。 しかしこれらの商品は廃棄処分を待つだけだった。 流通期限が7日しかなかっただけでなく、地域の特性上‘バッタ市場’もなかったためだ。
代理店主らの被害に知らぬ顔をしたキム支店長は絶対的な‘甲’だった。 パク氏は「餅代上納は基本で、さらには会食の席で支店長より先に立とうものなら報復された」と伝えた。 ある日、支店長と代理店主が会食する日に起きたことだ。 「会食が長びき深夜12時を過ぎたので、疲れて先に立とうとしたところ営業所管理チーム長が言いました。 ‘社長、 支店長より先に立てば牛乳100ボックスを売る覚悟をしなければなりません。’私たちは冗談だと思いました。」 先に立ったパク氏の代理店には翌日本当に牛乳100箱が到着した。 パク氏は「それから会食で支店長より先に立ち上がる人はいなかった」と話した。
抑えこまれてきた不満は昨年5月に爆発した。パク氏の妻は営業所管理チーム長に入金日を数日だけ延ばしてほしいとお願いしていた。 管理チーム長が断り、毎月赤字だったために妻は怒ってしまった。 「オイ、お前。 金を借りる時間くらい与えてこそ金を返せるじゃないか!」その直後、パク氏は支店運営権を剥奪された。 パク氏は1億ウォンを払って代理店を開いたが、5年余りの間に1億8000万ウォンの借金をしたと話した。
"私たちが南陽乳業の横暴を話しても人々は信じてくれませんでした。 5年間、家族と一度だって旅行に行きもせず、熱心に牛乳を売ってばく大な借金ができただけです。こうなると知っていたら始めなかったものを…」 9日、パク氏はソウル中区(チュング)の南陽乳業本社前で102日目の示威を行っている。
ホ・ジェヒョン記者 catalunia@hani.co.kr