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不法‘ピンゴレ(バッタ取引)’をご存知ですか?

登録:2013-05-08 22:14 修正:2013-05-09 08:03

 南陽乳業のケースのように、製造業者が代理店主人に強制的に押し込み販売した商品は‘ピンゴレ市場’に流れて行く。 ピンゴレ市場は正常な方法で商品を処分できない代理店主人が、損害を甘受して安値で商品を販売する市場を称する隠語だ。 ピンゴレ市場が無理やり商品を購入させられた代理店主人にとっては少しでも損失を減らす役割をするが、結果的に卸売市場を苦境に追い込んでいるというのが卸売商の話だ。

 ピンゴレがなされていると分かった市場の中の一つがソウル東大門区(トンデムング)清涼里(チョンニャンニ)の総合卸売市場だ。 清涼里青果卸売市場の後に位置したこの市場は、スーパーや雑貨屋などを営む小売商人たちが商品を処分しに来るソウル最大の卸売市場だ。 店ごとに入口前にまでラーメン、菓子、ミネラルウォーター、飲料などを山のように積み上げている。

 7日こちらで会った多くの卸売商は一様に‘ピンゴレ取引は昔の話で今はない’と話した。 だが、匿名を要求したある卸売商は「ピンゴレをやっていると言う人がどこにいるか」と反問した。 税金を一銭も出さずに現金で行なわれるピンゴレは不法だ。 ある代理店主人は「ピンゴレ業者は現金を数千万ウォン単位でカバンに入れて通い、商品を持って行く人々だ。 買う側も売る側も全て不法なので、互いに信じ合える関係でなければ取引をしない」と話した。 一部の卸売商が正常な卸売業をしながらピンゴレ商品を買い入れたり、最初からソウル近隣に倉庫を作っておいてピンゴレだけを専業でしている人々もいるというのが代理店主の説明だ。 こういうピンゴレ業者の手を経て商品は小売店に行ったり、卸売商や他の特約店・代理店に行ったりもする。

 供給が不安定なピンゴレ商品は卸売市場の秩序を乱している。 隣の店でピンゴレ商品を安く売れば、正常に流通している商品を売る他の店は損害を受けざるを得ない。 ピンゴレ商品は卸売商の商品の品揃えも変えている。 清涼里のある卸売商は「4~5年前まで卸売商ごとに菓子ならば菓子、ラーメンならラーメン、こういう方法で一品目だけを専門的に取り扱っていた。 ところが市中にピンゴレ商品が出てくるので、本来は取り扱わなかった商品まで持ってくる」と話した。 本来は競争関係でなかった隣の卸売商が、いつ同じ商品目を持ってきて競争相手になるかも知れない状況になったのだ。 ある食品業者の特約店主は「基本的にいろいろな品物を取りそろえるための商品は代理店や営業所を通じて受け取り、最もよく売れる商品はピンゴレ商品を持ってくる卸売商が多い」と伝えた。

 製造業者から商品を押し込まれた代理店主だけでなく大型マートもピンゴレ市場の重要な供給者だというのが卸売商の話だ。 だが、大型マートは泣く泣く損を承知で商品を処分する代理店主とは境遇が違う。 あるラーメン製造業者の特約店主は「製造業者が特約店と代理店には強者として君臨するが、大型マートには反対に言いなりになる。 大型マートは大量購入しながら一般卸売商に比べ20%ほど商品を安く仕入れる。 全て売り切ることができずに残った商品をピンゴレ市場に安く出しても儲けが残る」と伝えた。

 清涼里のある卸売商は「卸売商や小売商が大型マートと価格競争をするためにピンゴレ商品を仕入れようと死闘を繰り広げている。 だが、卸売商が大型マートが出したピンゴレ商品を買えば、大型マートの競争力である大量注文を後押しする格好になる。 結局、卸売商や小売商はますます苦しくなり大企業だけが生き残ることになる」と話した。ユ・シンジェ記者 ohora@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/586526.html 韓国語原文入力:2013/05/08 20:41
訳J.S(1628字)

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