"月300万ウォン稼げると言ったのに…"
工業団地で働いて貯めたお金で
1年半後に残ったものは6500万ウォンの借金だけ
耐えられずに結局 廃業要請
脱北者イ・ミオク(仮名・44)氏の声は細かく震えていた。 "全くの強盗ども…" という話には怒りを越えてあきらめが感じられた。 イ氏は現在コンビニ店主だ。
2011年9月30日京畿道(キョンギド)安山市(アンサンシ)本五洞(ポノドン)に99㎡(30坪)のファミリーマート(現在CU)コンビニを開いた。 純福音教会で作った非政府機構グッドピープル(総裁 チョ・ヨンギ牧師)が運営する自由市民大学が創業教育を経て2000万ウォンの無利子貸出をしてくれた。 定着を支援するという趣旨であった。 イ氏は貯蓄1500万ウォンに追加銀行借入 1500万ウォンを加え、5000万ウォン余りを普光ファミリーマート(現 BGFリテール)本社に払った。
1年6ヶ月が過ぎた今、イ氏の手に残ったのは6500万ウォンの借金だけだ。 売上は減っても人件費はかかりつづけた。 昨年5月に閉店しようとしたが、違約金のためにできなかった。 「その時、違約金6000万ウォンがどこにあるでしょうか? 本末転倒じゃないの。」イ氏は命を賭けて越えてきた‘暖かい南側の国’で酷寒の戦争をしている。
イ氏は1998年11月、豆満江(トゥマンガン)を渡った。 生後100日を迎えたばかりの娘を背負って、中国を行き来して行商している従姉について行った。 6年間中国で仕事をしてようやくベトナムを経て2004年7月に娘と共に韓国に入ってきた。 安山市(アンサンシ)の永久賃貸アパートに居を定めて、中国同胞の夫キム・ムニョン(仮名・50)氏にも会った。 イ氏は半月工業団地で、夫は工事現場で働いた。 二人で月額300万ウォンを稼ぎ、毎月100万ウォンずつきちんと貯金した。 娘のために国民賃貸アパートに引越しするのが夢だった。
コンビニに視線を転じたのはイ氏の健康のためだった。 2007年に椎間板ヘルニアの手術を受けて工場を辞めたうえに、2009年に再び始めた経理の仕事も2011年に甲状腺癌手術で辞めなければならなかった。 甲状腺機能低下症で脚と目に襲ってくるマヒのためにイ氏は‘顔色を伺わずに働ける所’が必要だった。 ファミリーマート本社の開発担当者は「一日の売上が80万ウォン後半台の店」を見せた。「ここに(ファミリーマート)ブランドを付ければ40~50%は売上が増える」と言った。 ロイヤリティーの35%と月額賃貸料130万ウォン、人件費などを引いても月300万ウォン余りは稼げるという‘コリアンドリーム’だった。
夢が砕け散るのはわずかの間だった。 人件費を節約するため昼間だけアルバイト生1人を使い、夕方6時から明け方2時まではイ氏が、明け方2時から午前10時までは夫のキム氏が店を守った。 初めの月に賃貸料とロイヤリティーを控除して残ったお金は180万ウォンだった。 ここからアルバイト生の月給40万ウォンを払った。 弱り目にたたり目で、開店1年も経たずに近所に個人コンビニができた。
イ氏は耐えられなくなり、今月7日再び本社に閉店を要請した。 今度は‘営業利益損失金’、‘インテリア残存価値’等意味が分からない項目を全部合わせて3160万ウォンを違約金として要求してきた。 ‘砕け散ったコリアンドリームの代価’であった。 イ氏は現在、公正取引調整院に調整申請を準備中だ。
イ・ユジン記者 yjlee@hani.co.kr