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NewJeans、ADORの今後のプロデュースが課題…元プロデューサー「幸せに」

登録:2025-11-14 07:30 修正:2025-11-14 08:34
アルバム・コンサート・グッズなど今後の成果に注目 
証券会社「年21億~32億円の貢献が可能」 
HYBE、目標株価の上方修正の報告書を発表
昨年5月、東京ドームでNewJeansがファンミーティング公演を行っている=ADOR提供//ハンギョレ新聞社

 ガールズグループ「NewJeans」のメンバー5人全員がADOR(アドア)への復帰の意向を表明したことで、グループの活動再開が表面化した。12日午後、HAERIN(ヘリン)とHYEIN(ヘイン)の復帰をADORが公式に発表すると、2時間後には、残りのメンバーのMINJI(ミンジ)、HANNI(ハニ)、DANIELLE(ダニエル)も復帰の意向を明らかにし、グループが分裂する事態は回避された。

 ミンジらによる復帰発表後、ADORが「真意を確認中」と表明したことで、一時的な混乱はあったが、13日にADORが「NewJeansのメンバーと個別面談の日程を調整中」だとし、「円滑な議論ができるよう、最善を尽くす予定」だとする公式の立場を表明した。復帰の意向を明らかにしたメンバーが、ADORとの専属契約が有効だとする先月30日の一審判決に対して、14日の午前0時までに控訴しなかった場合、自動的にADORへの所属が維持されることになるため、近く完全体への復帰は正式なものになるとみられる。

 今回の復帰決定により、NewJeansの活動の空白は事実上解消に向かうことになった。昨年11月のNewJeansの専属契約解除通告から1年間続いた法廷闘争の間、グループ活動は中断され、アルバム、広告、コンサートなども保留された状態にあった。そうしたなか、メンバー全員が復帰の意向を表明したことで、中断された事業を再稼働できる最小限の体制が整ったとする見方が出ている。

 復帰の背景には、一審敗訴と今後の活動の不透明性が同時に作用したものとみられる。NewJeansの立場としては、仮処分と一審裁判の相次ぐ敗訴によって、上級審でこれを覆すことが不透明になったのは事実だ。また、紛争の長期化による市場価値の低下とファンダムの疲労の蓄積により、空白の長期化がもたらす損失が拡大したと判断したものと分析されている。対立が続く場合、損害賠償などの追加紛争の可能性もあっただけに、復帰は現実的な選択だと解釈されている。ヌルボッ法律事務所のチョン・ソンホ弁護士は「NewJeansのメンバー側が、一審判決文の分析後、控訴審など今後の法廷闘争での逆転は難しいと判断したとみられる。今後発生しうる損害賠償問題も考慮の対象だったと考えられる」とし、「予想外のことがないかぎり、2029年7月まで予定の専属契約の期間中、メンバーたちがADORで活動する可能性が高くなった」と述べた。

 NewJeansの活動再開は、親会社のHYBE(ハイブ)の実績の面でも意味がある。HYBEは今年第3四半期に422億ウォン(約44億円)の営業損失を出して赤字に転落し、収益性の回復が主な課題として浮上していた。NewJeansの活動正常化は、財政構造に肯定的な影響を与える変数と評されている。この日のHYBEの株価は市場で6%以上上昇するなど、強気を示した。ある証券会社は「NewJeansの復帰により、2027年から年間200億~300億ウォン(約21億~約32億円)の利益貢献が可能だ」として、HYBEの目標株価を引き上げる報告書を公開した。

 復帰後に彼女たちが生み出す結果も主な注目ポイントだ。NewJeansは、サウンド、パフォーマンス、ビジュアル、ブランディングが結合した総合的な創作構造をベースにデビューし、高評価を得た。この過程でプロデューサーとして重要な役割を担ったADORのミン・ヒジン前代表が離脱した状況で、ADORの制作スタッフが以前の水準に劣らない完成度を維持できるかどうかについて、関心が集まっている。

 過去のミン・ヒジン体制下のADORは、HYBE傘下のレーベルでありながらも、独立制作体制を維持し、この点が、HYBE傘下の他のレーベルと差別化されたカラーを持つNewJeansというスーパーIPをデビューさせた原動力だった。現在のADORがNewJeansのデビュー時と同等の制作能力を発揮できるかどうかについては、アルバム、コンサート、グッズなどの実際の結果で判断されるものとみられる。ADORは新プロデューサーを探しているという。NewJeansの安定的な活動再開のためには、メンバーと会社間のコミュニケーションや、ファンダムとの関係の調整が必要だとする指摘とともに、メンバーも今後は積極的な活動の意向を示すべきだという意見も出ている。

 大衆音楽評論家のイム・ヒユン氏は「HYBEによる積極的な支援と、HYBE傘下の他のレーベルとの協業を通じて、NewJeansのIPを高めることができれば、むしろワールドワイドなスターとして生まれ変わるきっかけになる可能性がある」としたうえで、「ただし、過去のミン前代表体制下のADORとどのような差別化をはかり、IPを発展させることができるのかは課題だ。容易ではない過程になるだろう」と指摘した。

 一方、ミン前代表はこの日、ハンギョレに「メンバーがともに復帰することにした決定は、深い悩みと対話を経てなされた選択だろう」として、「NewJeansは5人として完全に守られるべきだと考えている。今後、メンバーがさらに結束し、より良いNewJeansになれるよう願っており、何より、5人のメンバー全員が幸せになることを願っている」と表明した。ミン前代表は最近、「オーケーレコーズ」を設立し、独自の活動に乗り出している。

イ・ジョングク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/culture/music/1229053.html韓国語原文入力:2025-11-13 18:59
訳M.S

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