韓国放送(KBS)は、太平洋戦争中の1944年9月に中国雲南省松山で朝鮮人日本軍慰安婦が米中連合軍に救出される場面を撮った貴重な映像を発見し、28日に公開した。この映像には「臨月の慰安婦」として知られる故パク・ヨンシムさんの姿もある。これまで朝鮮人日本軍慰安婦に関する文書と写真は多少あったが、映像は珍しく、史料としての価値が高いという評価が出ている。
KBSが発見し28日に公開した映像は、パク・ヨンシムさんら一行が米中連合軍に発見される状況を収録したもので、時間は54秒。KBSは「映像が撮影されたのは1944年9月7日と推定される。米中連合軍と日本軍との中国雲南省松山での100日間の戦闘の末、日本軍の陣地が陥落した日」と説明した。当時、陣地に残っていた日本軍のほとんどは自決し、その後、慰安所に残っていた朝鮮人日本軍慰安婦たちが脱出して、連合軍に発見されたという。
映像には「臨月の慰安婦写真」で知られる故パク・ヨンシムさんも登場する。パクさんは2000年に、この写真の人物が自分であることを明かし、北朝鮮で日本軍の蛮行を告発する先頭に立った。2006年に平壌(ピョンヤン)で亡くなった。映像の中のパクさんは当時22歳と推定され、妊娠して腹が大きくなっている。パクさんはぼんやりした表情を浮かべていたが、連合軍が「万歳」を叫んで喜ぶと、すぐに自分も「万歳」を叫んでいる。映像にはパク・ヨンシムさん以外の慰安婦も目につく。国籍の分からない慰安婦女性は戦闘中に大きな怪我をしたのか、片方の目がひどく腫れている。
KBSは「今回の映像は、KBSの『ドキュ・インサイト』制作チームが米国立公文書記録管理局(NARA)で発見したもので、朝鮮戦争70周年のために韓国史に関する資料を探している過程で偶然発見したもの。権威ある専門家の考証を受け、映像の中の人物たちがパクさん一行だということを確認した」と語った。