富川(プチョン)国際ファンタスティック映画祭(BIFFAN)で、北朝鮮の映画9作が公式上映される。
富川国際ファンタスティック映画祭(執行委員長チェ・ヨンベ)は10日、「関係当局からの北朝鮮映画9本の公開上映を最近承認された」とし、「急変する国際情勢や朝鮮半島の平和定着のムードによる特別プログラムとして『北朝鮮映画特別上映』を行なうことになった」と明らかにした。
今回の特別上映は、4・27板門店(パンムンジョム)宣言後、公式的には初の北朝鮮映画上映であり、常に制限上映という枠に縛られていた従来の慣例を破り、自由に南側の観客と出会える初の事例だ。
「未知の国から来た最初の映画の手紙」というタイトルで行われる今回の特別上映では、1980年代から最近の金正恩(キム・ジョンウン)委員長体制まで、北朝鮮で製作された3本の長編と6本の短編など、計9本の劇映画を観ることができる。このうち『わが家の物語』(2016)は、2016年に平壌国際映画祝典の最優秀映画賞および女優演技賞受賞作で、親を亡くした三人兄妹が家庭を守るために繰り広げられる感動実話をユーモラスに描いた作品だ。既存の北朝鮮映画とは違い、現在の北朝鮮の人々の姿をリアルに面白くよく描写したという評価がある。
子ども向けアニメ『交通秩序を守りましょう』(2006)は、水遊び公園、イルカショー、遊園地などが登場し、交通秩序が必要になるくらい交通量が増加した北朝鮮の現実をうまく描いている。この他、2000年に『第1号北朝鮮映画』というタイトルをつけて初めて韓国内で封切りされた怪獣映画『プルガサリ』(1985)と、北朝鮮・ベルギー合作映画であり最もよく知られた北朝鮮映画の中の一つである『金同志は空を飛ぶ』(2012)も上映される。
富川国際映画祭は、北朝鮮映画の上映に留まらず、『わが家の物語』で平壌国際映画祝典において女優演技賞を受賞した俳優のペク・ソルミとリ・ユンホ、ハ・ヨンギ監督、『金同志は空を飛ぶ』に出演した人民俳優のリ・ヨンホと功勲俳優のキム・チョルを公式に招待し、その結果を待っている。映画祭の関係者は「北朝鮮映画の招待に対する返答は残念ながらまだもらえていないが、映画祭の閉幕日まで返答を待つ予定」と明らかにした。
また、映画祭で設けた二つのフォーラムである「統一に向かう架け橋:南北の映画」と「SFファンタスティックフォーラム:北朝鮮文化芸術界のSFとファンタジー」では、専門家らとともに北朝鮮映画を集中的に眺望する計画だ。
富川国際ファンタスティック映画祭は12日開幕し、11日間続く。