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アジアの目で読む季刊『アジア』が創刊10周年

登録:2016-06-21 21:12 修正:2016-06-22 07:06
67カ国から約800人の作家が参加 
アジアの作家の作品を世界に紹介
季刊『アジア』創刊10周年記者懇談会に参加した関係者たち。前列左からパン・ヒョンソク主幹、イ・テファン発行人、編集委員のチョン・ウンギョン円光大教授など//ハンギョレ新聞社

 英語とハングルで併記する季刊文芸誌『アジア』が創刊10周年をむかえた。「世界の人々と共に読むアジア文学」を標ぼうし、2006年夏に創刊された『アジア』は、21日に創刊10周年記念号を出し、ソウル光化門のレストランで記者懇談会を開いた。

 『アジア』発行人の小説家イ・テファン氏はこの席で、「アジアの目でアジアを読もうという趣旨で創刊した『アジア』がいつのまにか10周年をむかえることになり感慨深い」と述べ、「アジアがアジアの作家と知識人の間の掛け橋になれるよう支援するポスコ青岩(チョンアム)財団とクォン・オジュン理事長に感謝する」と明らかにした。

 一度も欠巻することなく発行され、今年の夏号で通巻41号を記録した『アジア』には、この間、67カ国から約800人の作家が筆者として参加した。大江健三郎、オルハン・パムク、莫言などのノーベル文学賞受賞作家をはじめ、パオ・ニン(ベトナム)、閻連科(中国)、フランシスコ・ショニール・ホセ(フィリピン)のような作家とエドワード・サイード、ブルース・カミングスのような学者、そして朴景利(パクキョンニ)、朴婉緒(パクワンソ)、高銀(コウン)、金允植(キムユンシク)など韓国の文人が共にした。また「ペンで一人立ちするアジアの女性、アジアの女性文学」(4号)、「東アジア平和共同体構想とアジア代案談論の可能性」(20号)のような特集を通じて、アジア文学の紹介と談論創出に注力し、ハノイ、上海、デリー、ハルビン、バンコク、シェムリアプなどを扱った都市特集や現場通信などでアジア人の相互理解を図った。

 季刊『アジア』を出しているアジア出版社も、『戦争の悲しみ』(パオ・ニン)、『アジアの孤児』(呉濁流)、『デリー』(クシュワント・シン)といったアジアの作家の小説と、『ラーマーヤナ』『マハーバーラタ』のようなアジア神話を紹介した。あわせて韓国近現代の代表作家110人の短編を英語に翻訳し、韓英対訳で出版する『バイリンガル・エディション韓国代表小説110』と、現代の韓国を代表する短編を同じ方式で出す『K-フィクション・シリーズ』を企画して、韓国文学を英語圏の読者に紹介する作業も併行してきた。この二つの企画は、米ハーバード大、コロンビア大、カナダのブリティッシュコロンビア大などで教材として活用され、年間1000冊程度が着実に売れている。

 『アジア』創刊10周年記念号は「21世紀アジア文学地図」という企画特集で出された。日本、ベトナム、モンゴル、カザフスタンなど13カ国の短編小説15編と、各国の評論家による該当国家の現代文学紹介文が掲載された。アジア出版社はこれと共に、過去10年間に『アジア』に載せられた短編160編余の中から12編を集めた選集『波の秘密』を10周年記念単行本として出した。パン・ヒョンソク(中央大教授)『アジア』主幹は「現在、電子ブック形態でも発行されている雑誌『アジア』を一層流動性のあるウェブマガジンに切り替えて、韓国小説の海外翻訳紹介とアジアの詩人の詩集翻訳出版などを今後計画している」と明らかにした。

チェ・ジェボン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/culture/book/749076.html 韓国語原文入力:2016-06-21 15:44
訳J.S(1556字)

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