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米 サンダンス映画祭 泣かせた4・3の霊魂たち

登録:2013-01-27 22:07 修正:2013-01-28 00:01
オ・ミョル監督の‘ジスル’最高賞 受賞
ワールドシネマ劇映画 審査委員大賞
韓国独立映画 史上初の快挙
"罪なき死の痛み 世界的共感"
26日米国サンダンス映画祭で‘ワールドシネマ劇映画’部門 審査委員大賞を受賞した映画<ジスル(じゃがいも)>の一場面。 この映画は済州(チェジュ)4・3抗争当時、無念に死んでいった住民たちの恨みの霊を慰める低予算映画だ。 写真提供ジャパリフィルム

 オ・ミョル(42)監督は「(無念に)死んでいった済州(チェジュ)住民たちの霊魂がこの映画を作らせたし、製作過程でも私たちを助けたと考える。 その霊魂たちと受賞結果を共に分かち合いたい」と語った。 彼は受賞について溢れる喜びを表現する代わりに、「霊魂の悲しみが天に届いたようだ」として彼らの魂を賛えた。

 1948年済州4・3抗争の悲劇を扱ったオ・ミョル監督の映画<ジスル>が世界最高権威の独立映画祭である‘第29回米国サンダンス映画祭’で最高賞の‘ワールドシネマ劇映画’部門審査委員大賞を受けた。 映画祭側は26日夜(現地時間)米国、ユタ州パークシティで開かれた授賞式で、審査委員団全員一致で<ジスル>をこの部門の受賞作に選定したと明らかにした。 サンダンス映画祭は米国のドキュメンタリー・劇映画、外国(ワールドシネマ)のドキュメンタリー・劇映画など4部門の最高作品に審査委員大賞を与える。 過去にはキム・ドンウォン監督のドキュメンタリー<送還>が2004年サンダンス映画祭で特別賞である‘表現の自由賞’を受けたのみで、韓国映画がこの映画祭で最高賞を受賞したのは初めてだ。 オ監督はこの日<ハンギョレ>との通話で「26日先に帰国しようと東京で飛行機に乗り換える間に受賞結果を伝える映画祭側の電話を受けた」と話した。

 これで韓国映画界は2011年世界最高権威ドキュメンタリー映画祭である‘アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭’で<かたつむりの星>(監督イ・スンジュン)が長編部門大賞を受け、昨年に世界3大映画祭であるイタリアのヴェネツィア映画祭で<ピエタ>(監督キム・ギドク)が最優秀作品賞を受けたのに続き、もう一つの大きな成果をあげた。 映画界は「劇場で上映機会もまともに得られない韓国独立映画の快挙」と評価している。

 <ジスル>は‘4・3抗争’が起きた1948年冬、‘海岸線から5km外側の住民たちを暴徒と規定し、全員射殺せよ’という米軍政の疎開令が下った後、済州、西帰浦(ソギポ)の‘クンノプクェ洞窟’に隠れていた住民たちの実話を土台にした。 2億5000万ウォンの製作費がかかった白黒映画<ジスル>は祭礼形式に従い当時亡くなった数万人の恨みの霊魂を慰める。 場面の一つ一つに悲しみが感じられるこの映画は、強烈なイメージが際立ち、緊迫した状況でも笑いをかもし出す映画の中の住民たちのたどたどしい行動が、以後彼らに迫る悲劇をさらに痛く感じさせる。 <ジスル>は映画で生存の希望を象徴する‘ジャガイモ’の済州方言だ。

 済州出身のオ監督は「‘4・3’は冷戦時代に米軍政が加担した民間人虐殺という世界史観点で見るべきだ。 このような話が米国で上映され、そちらの芸術家からこの作品が認められたということが意味深い」と語った。 彼は「サンダンス映画祭で50代と思われる米国人女性観客が‘このような映画を作ってくれてありがとう’として涙を流した。 映画の形式と言語が国ごとに違っても、(罪なき)人々が死ぬことで伝わる痛みは誰にでもあるようだ」と話した。 <ジスル>は3月1日、済州で先に封切りした後、同月21日からソウルをはじめ全国で上映される。 ソン・ホジン記者 dmzsong@hani.co.kr

写真 ジャパリフィルム提供

https://www.hani.co.kr/arti/culture/movie/571501.html 韓国語原文入力:2013/01/27 19:58
訳J.S(1669字)

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