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米国防総省元高官、「THAADで北朝鮮のミサイル迎撃は困難」との分析に同意

登録:2015-07-05 22:55 修正:2015-07-06 16:01
フィリップ・コイル元国防総省兵器運用・試験・評価局長

 米国国防総省で新兵器の性能試験を担当していた元高官が、高高度防衛ミサイル(THAAD)の迎撃性能に疑問を提起した米国の研究者たちとハンギョレの分析結果に、同意することを明らかにした。また、朝鮮半島におけるTHAADの配備は、北朝鮮と中国との軍備競争をもたらすと警告した。

 フィリップ・コイル元国防総省兵器運用・試験・評価局長は先月30日、ハンギョレとの電話インタビューで、「米マサチューセッツ工科大学(MIT)のセオドア・ボストル教授とコーネル大学のジョージ・ルイス平和・紛争研究所研究員によるTHAADの迎撃性能分析の結果に対する評価を求める要請に 「2人の研究者の分析結果に同意する」と述べた。 ハンギョレはインタビューの数日前に、2人の言及者の分析結果をコイル元局長に提供した。

http://japan.hani.co.kr/arti/international/21129.html ()

 米国防総省の兵器運用・試験・評価局長は、国防省が新兵器の大量生産と購入を決定する前に、その兵器が実際の戦闘で効果を発揮できるかを最終評価し、国防長官と議会に直接報告する業務を任されている。米大統領が任命し、上院が承認するため、国防総省の組織の中でも相対的に独立している。米国立核研究所のローレンス・リバモア研究所の副所長出身のコイル元局長は、1994年から2001年まで局長を務め、これまで最長の在職期間を記録した。

 コイル元局長は、ミサイル防衛局(MDA)が、9回のTHAADによる迎撃試験ですべて成功したと主張したことについて、「そのような試験では、北朝鮮のスカッドミサイルと他のミサイルの性能を捕えられない」とし「北朝鮮のミサイルが空中でくるくる回ったり螺旋状に落ちる場合もあるため、(迎撃が)非常に難しい標的になるだろう」と指摘した。彼は米国のミサイル防衛兵器の生産には膨大な費用がかかるのに比べ、北朝鮮のミサイルは非常に安価に製造できる点も、米国のミサイル防衛システムの限界として挙げた。北朝鮮のスカッド・ノドンミサイルをすべて防御できる数のTHAAD迎撃ミサイルを配備するのは難しいという意味だ。

http://japan.hani.co.kr/arti/international/21129.html  コイル元局長は、中国が朝鮮半島におけるTHAADの配備に懸念を示したことに関連して、ボストル教授とルイス研究院のTHAADレーダー分析結果()に言及し、「2人の研究者が示したように、このシステムは、中国に向けられる可能性がある」とし「中国が懸念しているのは理解できる」と述べた。彼は、米国が東欧にミサイル防衛網を構築する際に、イランからの攻撃に備えたものだとロシアに説明したが、実際にはロシアを狙える性能を持っていたと述べた。東欧における防衛ミサイルの配備をめぐり、米ロ間で現在も続いている争いが、北東アジアでは米中間で繰り広げられざるを得ないということだ。

 さらに、ロシアや中国などの潜在的な敵国は、ミサイルをより多く生産するだけで、米国のミサイル防衛システムを無力化できることを知っているとして、現在ロシアがそのような戦略を取っていると述べた。コイル元局長は「北朝鮮も韓国がミサイル防衛を構築したら、ロシアと同じことをするだろう」とし「(朝鮮半島へのTHAADの配備は)軍備競争を触発するだけ」だと警告し、こう続けた。「ミサイル防衛の歴史は、潜在的な敵がロシアか中国か、北朝鮮かイランかに拘わらず、これらの国がより多くのミサイルを生産するように促すだけだということを物語っている」

 コイル元局長は、米国防総省の高官たちが、ミサイル防衛戦略の限界を認識しながらも、これを推進してきた理由は何かという質問に対して「米議会が弾道ミサイルの脅威を懸念しているため」とし、「議会がミサイル防衛システムを開発し、より多くの迎撃ミサイルを購入するように圧力をかけてきた」と答えた。しかし、北朝鮮やイランは現在、米国に到達するできるミサイルを作る能力を保有していなと指摘した。

ワシントン/パク・ヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力: 2015-07-05 19:48

https://www.hani.co.kr/arti/international/america/698931.html  訳H.J

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