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韓国政府による「医学部2千人増員」調整で…「人生がかかっている」受験生混乱

登録:2024-04-22 08:01 修正:2024-04-22 10:45
イ・ジュホ社会副首相兼教育部長官が19日午後、ソウル世宗路の政府ソウル庁舎で医学部増員についての記者団の質問に答えている=キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

 6つの非首都圏の国立大の総長が提案した「医学部定員増員分の自律調整」を政府が受け入れたことで、入試現場の混乱はよりいっそう強まっている。特に増員発表に合わせて入試に飛び込んだ浪人生や、地域人材選考を狙っていた非首都圏の受験生を中心として、不満の声が相次いでいる。

 光州(クァンジュ)地域のある高校の教師は21日、「昨年、修能(大学入試)の5カ月前に発表されたキラー問題(超高難度問題)の排除方針から今回の増員の覆しに至るまで、入試政策が随時変更されている」とし、「入試において予測可能性と安定性は基本だが、政府はそれを揺るがしている格好」だと指摘した。政府は各大学に配分された医学部定員の増員分を、50~100%の範囲内で自律的に調整することを各大学に認めることを明らかにしている。当初2千人だった増員規模が1千人台に減る可能性が出てきたことで、医学部入試を準備中の受験生だけでなく、医薬学系列や自然系の上位圏にいる受験生の合格ラインも連鎖的に影響を受ける見通しだ。

 受験生たちは、来年度の入試まであまり時間が残されていない中で右往左往する政府を批判した。政府の医学部増員方針を受けて学校を休学し、再び入試に飛び込んだ浪人生のAさん(21)は、「受験生にとっては人生のかかっていることなのに、政府が手のひらを返すように政策を覆すのを見て安易だと感じた。増員分が大きく減ったら学校に復学すべきか悩んでいる」と話した。受験生コミュニティーでも「最大の被害者は受験生」、「政府にだまされたみたいだ」などの反応が見られる。鐘路学院のイム・ソンホ代表は「医学部募集定員は最上位圏の学生だけでなく上位圏、中位圏の学生までもが影響を受ける事案。入試の不確実性が強まったことで受験生全般が混乱している」と指摘した。

 非首都圏の高校も混沌に陥っている。今回の増員とあいまって、非首都圏の医学部は最大で定員の80%を地域人材選考で選ぶ可能性があるため、地方の高校はそれを念頭に進学指導をおこなってきた。しかし増員規模だけでなく地域人材選考の規模も縮小することもありうるため、「全面修正しなければならないのではないか」と言われはじめている。全羅北道のある高校教師は、「全北大、円光大の医学部で地域人材選考が大きく増えると考えて準備してきたが、困っている。募集定員だけでなく随時選考と定時選考の割合や選考方法などが提示されてはじめて高校は対策を立てられるのに、何も決まっていないため、どうすることもできない」と語った。

 随時選考の願書受付日は9月9日で、5カ月も残されていないが、各大学の「自律」によって決定される医学部増員分、無専攻選抜の拡大などと相まって、来年度入試は非常に大きな変数を抱えている。今月末までに大学が「大学入試選考実施計画変更事項」を韓国大学教育協議会(大教協)に提出し、大教協がこれを承認して大学が5月末に募集要綱を告示するまで、混乱は続くものとみられる。

パク・コウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/1137527.html韓国語原文入力:2024-04-22 06:00
訳D.K

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