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韓国、医学部増員規模1000~1700人に縮小の見込み…一歩引いた尹政権

登録:2024-04-20 10:43 修正:2024-04-20 10:52
政府、国立大学総長らの「自律調整」建議を受け入れ 
一部の大学は懐疑的「医学部生の復帰に役立つかは疑問」
チョ・ギュホン保健福祉部長官が19日午後、ソウル世宗路の政府ソウル庁舎で医学部増員に関する記者の質問に答えている=キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

 韓国政府は、来年の医学部の定員の増員規模を自律的に調整できるようにしてほしいという一部の国立大学総長らの建議を電撃的に受け入れた。これにより、先月の政府の割り当てにより医学部の定員が増えた32の大学すべてで、増員分を調整できるようになった。大学の調整の結果により、2000人だった2025学年度の医学部増員規模は1000~1700人台に縮小するものとみられる。

 ハン・ドクス首相は19日午後、政府ソウル庁舎で医師集団行動中央災害安全対策本部(中対本)会議を開いた後の会見で、「大学ごとの教育環境を考慮し、今年医学部の定員が拡大された32大学のうち、希望する場合は増員された人員の50%以上100%の範囲内で、2025学年度に限り新入生を自律的に募集できるよう許容する」と述べた。このような決定は、江原大学、慶北大学、慶尚国立大学、忠南大学、忠北大学、済州大学など6校の非首都圏の国立大学総長らが18日、来年から適用される医学部定員の増員規模を「50~100%の範囲で自律的に調整して新入生を募集できるようにしてほしい」と政府に建議した内容を全面的に受け入れたことに伴うものだ。ハン首相は「政府は医療界の単一化された代案の提示が難しい状況で、医療空白による被害をそのまま放置することはできず、問題解決を求める国民と患者の要求を重く受け止め、果敢な決断が必要と判断した」と、建議案受け入れの背景を説明した。

 2025学年度の医学部定員の増員規模は、大学が自律調整にどの程度賛同するかによって変わる見通しだ。政府は来年から医学部の定員を2000人増やす方針だったが、この規模が少なくとも1000人から最大でも1700人に調整される可能性がある。建議文を出した6つの大学は、2025学年度に合わせて598人の医学部定員を追加で割り当てられている。6つの大学全部が半分だけ増やすとした場合、全体増員規模は2000人から1701人になる。

 江原大学のキム・ホニョン総長は、ハンギョレの取材に対し「江原大学はソフトランディングのために増員分を50%に減らす計画」だと話した。6校のほかに、他の国立大学が増員分50%縮小にすべて参加した場合、増員規模は1500人余りになり、定員が追加配分された32校における医学部が同じ割合で縮小調整をした場合、増員規模は1000人まで減ることになる。ただ、縮小された増員規模が翌年以降も維持されるかは未知数だ。この日、政府は医学部の定員が増えた大学に、2000人の増員分を反映して2026学年度の大学入試選考の施行計画をまとめるよう求めた。その一方で、「2026、2027学年度の医学部定員は、医療界で科学的根拠に基づく統一案が出れば、常に開かれたかたちで議論する」という立場も同時に明らかにした。

 建議文の提出に参加していないその他の大学は、医学部の増員分が減る可能性を残しつつも、その規模は大きくはないとみている。ある地域の私立大学の総長は「国立大学総長らの提案に共感する」としつつも「内部で議論しなければならないが、小規模な医学部としては減らしても少数にとどまる」と述べた。また別の地域の私立大学総長も「議論を通してみなければならないが、うちの大学はそもそも増員数が多くないので、自律調整の意味は大きくはないだろう」と語った。ただ、医師団体は2000人増員の白紙撤回を要求しており、今回の増員規模の調整が医政対立解消の契機になるかは不明だ。今回の提案に賛同しなかった一部の国立大学は、懐疑的な反応を示した。釜山大学のチャ・ジョンイン総長は「総定員問題に対する根本的な提案ではないので、直ちに足元の火である医学部の学生たちの授業復帰をはじめとする非常に重大なさまざまな問題の解決に役立つかは疑問だ」と述べた。

キム・ミンジェ、シン・ミンジョン記者

https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/1137369.html韓国語原文入力:2024-04-2009:08
訳C.M

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